IntelのMooly Eden(モバイル製品グループ、バイスプレジデント)は当地で開いた説明会で、Yonahが65ナノメートルプロセスで製造され、現行のPentium Mシリーズの製品をさまざまな面から強化したものになると語った。
同社の現行ノートPC用チップはシングルコアだが、Yonahはデュアルコアとなり、これら2つの独立したコアが2Mバイトのキャッシュを共有するものになる。Advanced Micro Devices(AMD)やIntelが最近出したデスクトップ用デュアルコアチップも、同容量のキャッシュを搭載しているが、ただしこれらのチップの場合は、1Mバイトの専用キャッシュをそれぞれのコアが持つ形で、キャッシュの共有はしていない。キャッシュを共有できれば、大幅な性能の向上が期待できる。
「私がデュアルコアに言及するのだから、パフォーマンスの改善は10%や20%ではきかない。凄まじい改善が見られるだろう」(Eden)
Yonahはまた、低価格ノートPC向けのシングルコアバージョンも登場する。
ノートPCは、Intelの重要な稼ぎ頭になっている。同社のチップ生産量に占めるノートPC用プロセッサの割合は、1999年には約17%だった。それが、今年の第1四半期には全体の30%に達し、さらに来年はこの数字が約33%まで伸びると見られている。また米国小売市場では、今年の第1四半期に、ノートPCの売上が初めてデスクトップの売上を上回った。
Yonahには、消費電力を抑え、放熱効率を上げる技術が採用される。さらに、同チップはセキュリティ向上の目的で、現在デスクトップに搭載されている機能も搭載することになる。
消費電力の削減などもあり、Yonahを搭載するノートPCの設置面積は、既存のノートPCに比べて最大で31%も小さくなる。Intelは2008年までに、ノートPC全体の消費電力を1回の充電でマシンが8時間動作するレベルまで削減することを目指している。
なお、Yonahには64ビットアプリケーションを走らせる機能は(少なくも当初は)搭載されない。
「われわれはよく考えた上で、64ビット拡張機能を含めないことにした」とEdenは述べ、同機能を搭載すればバッテリ駆動時間が短くなってしまうと、その理由を説明した。
Intelは、市場がノートPC向けの64ビットチップを「必要」とした時には、これをリリースするつもりがあると述べた。この場合の「必要」が何を意味するかについては議論の余地がある。たとえば、2006年後半に発売が見込まれるMicrosoftの次期Windows「Longhorn」は64ビットOSだ。また、ライバルのAMDも、Longhornの発売に焦点を合わせて、ノートPC用64ビットチップの開発を進めている。
一方、64ビットコンピューティングを求める需要は、実際はそれほどないとEdenは言う。「企業各社が64ビットに対応するハードやソフトウェアを要求するようになるまでには、これから何年もかかるかもしれない」(Eden)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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