Intelは、次に出す「Yonah」プロセッサを2週間以内に公開するとともに、1つのプロセスコアの動作中にもう1つをスリープさせる技術を披露する。
IntelのMooly Eden(Mobility Groupバイスプレジデント)によると、Dynamic Power Coordination(DPC)と呼ばれるこの技術は、デュアルコアチップの消費電力を節約する方法の1つだという。DPCは、作業負荷が軽いときに1つのプロセッサコアの処理速度を落としてバッテリの消耗を抑える働きをする。
「(この技術を利用した場合)コアごとに消費電力が大幅に異なる」(Eden)
DPCは、Intel初のノートPC向けデュアルコアチップとなるYonahに搭載されることになる。Yonahの登場は、2005年後半もしくは2006年初頭の予定。Edenは、4月7日と8日に日本で開催されるIntel Developer ForumでDPCのデモを行う。
チップやコンピュータの設計者にとって、現在も消費電力は最も大きな懸案事項の1つだ。1つではなく2つのコアを搭載するデュアルコアチップは、当初は処理速度が遅いため、現行のデスクトップおよびノートPC用チップより実際は消費電力が少なくなる(Intelによると、Yonahは1枚のシリコンに2つのコアを搭載する一方、将来登場するデスクトップ向けの「Presler」は、1つのパッケージに2枚別々のシリコンを搭載することになるという)。
それにもかかわらず、チップの動作スピードは今後もさらに高速になり、同時に消費者はバッテリ駆動時間の延長を望んでいる。Edenによると、1回の充電で8時間駆動させることが目標だという。パネルメーカーやソフトウェア設計者も、消費電力を抑えるべく自社製品のチューニングに取り組んでいる。
ノートPCはこの2年間、Intelが最も成功している市場の1つである。ノートPCの出荷台数はデスクトップより伸びが早く、また普通はノートPC用チップの方が高い値段で販売されている。さらに、ノートPC市場が成長したことから、IntelはCentrinoチップバンドルによってWi-Fiチップ市場で圧倒的なシェアを持つベンダーになった。
Intelが初めてPentium MプロセッサとCentrinoチップを組み合わせた製品を発売した2年前、ワイヤレス機能を内蔵していたノートPCは全体のわずか10%に過ぎなかった、とEdenは指摘する。
同氏によると、現在はノートPCの80%以上に無線カードが内蔵され、Pentium MノートPCの80%以上にCentrinoチップバンドルが採用されているという。Intelは、Centrinoを出すまでWi-Fiチップを販売していなかった。
Intelは小型デスクトップ向けにも自社のノートPC用チップを売り込んでいる。そのため、ノートPC用に考えられた省電力技術が、今後はデスクトップやサーバでも利用されるようになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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