ポルノ配信業業者やその顧客らは、自分たち専用のバーチャルな赤線地帯をもうすぐ手に入れることになるだろう。
インターネットのアドレスを管理する非営利組織 、ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)が、米国時間1日に「.xxx」ドメインを承認した。これまで、このドメインに反対する立場をとり、米国の保守系政治家との間でもめごとが起こらないようにしてきた同グループが今回、それを覆す判断を下した。
ICANNは現在、ICM Registryと残りの詳細部分を検討しているところで、「.xxx」ドメインが2005年末までに取得可能になると語った。なお、他のトップレベルドメインとして申請されている「.asia」「.mail」「 .tel」の3つは、ICANN による判断を待っている状態だ。
ICM Registryの会長Stuart Lawleyからはコメントは得られていない。同氏は2004年にあるインタビューのなかで、「.xxx」のつくドメイン名を1件75ドル程度で提供する予定だと述べていた。また同氏は、このドメインを使用するうえでの制限は、コンテンツが成人のみを対象としていることを明示すること以外に何も設けられないとも述べていた。「完全に違法な児童ポルノは別にして、サイトの内容を監視することはまったくない」(Lawley)
ICM Registryでは、「.xxx」ドメインのマスターデータベース運用に関わる技術的な業務を行う予定で、これらのポルノサイトに対するルールの策定は、International Foundation For Online Responsibilityという別の非営利団体が受け持つことになる。同グループでは7人のメンバーで構成する理事会を設ける意向だが、そのなかには児童保護の提唱者や表現の自由に関する有識者、そしてアダルトエンターテインメント業界の出身者も含まれることになるという。
ICANNが「.xxx」ドメインを承認したことは、同グループのこれまでのスタンスを考えると、突然の翻意といえる。同グループのメンバーは、2000年11月に「.kids」や「.xxx」といったドメインに反対し、 ICM Registryによる1度目の申請を却下していた。
だが、政治家らはこの決定にすかさず批判を浴びせた。数カ月後に開かれた聴聞会では、ミシガン州選出の共和党下院議員Fred Uptonが、.xxxドメインは「インターネット上に大量に存在する、おそろしく不潔な内容から、われわれの子供たちを保護するための手段」となると主張し、 ICANNが何故それを承認しないのかについて、説明を求める発言を行った。また、Joseph Lieberman上院議員(コネチカット州選出、民主党)は、ポルノサイトの運営者が「成人映画を上映する映画館の所有者に適用されているのと同じ基準」に従わざるを得ないようにするためには、.xxxドメインが必要だと述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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