IBMのPC事業を引き継いだ中国Lenovo Groupが、ノースカロライナ州にあるIBM施設を利用して独自の開発センターを開設することを、同社幹部が米国時間24日に明らかにした。
Lenovoは現在、Research Triangle Park内に2万5000平方フィート(約2300平方メートル)の敷地を持つ、IBM「Innovation Center」の一部を改装している。同センターのLenovo施設は、今夏に操業が開始される予定だ。この施設は、多国籍企業の担当者らが数日間滞在して、自社のニーズに沿う新しいデスクトップやラップトップ製品の設計/開発/検証を行う実験所となる。
Lenovoは5月初め、IBMのPC事業部を17億5000万ドルで取得する買収計画を完了させた。Lenovoはこの買収で、バイオメトリックリーダーやハードドライブを保護する内蔵エアバッグなどの「Think」ブランド技術も手に入れている。
同施設は、チャペルヒルのノースカロライナ大学やダーラムのデューク大学、ローリーにあるノースカロライナ州立大学から、車で30分ほどの場所に位置する。センターにはLenovoのエンジニアやプログラマ、製品開発者、さらに営業やマーケティングの専門家が、スタッフとして配置されるという。また、旧モデルを展示するだけでなく、イメージングおよびトレーニングサービスも提供する。
LenovoのInnovation Center担当プログラムディレクターAndrew Flanaganは、「このセンターは、ハードウェアを扱う施設というだけではない。特定の市場において、他社との差別化を確立するための施設でもある」と説明している。
Lenovoは、検証やコンセプトの確認を行うこの実験施設のほかにも、IntelやIBM、LANDesk、Microsoft、Symantecといった企業とともにパートナーセンターを設立しようとしている。
Flanaganはこのパートナーセンターについて、「例えば、Intelの顧客があるデザインからほかのデザインへの移行を検討している場合は、わたしたちはそれを支援することが可能だ。またほかの顧客は、このセンターでセキュリティやネットワーク上の課題に取り組むことが可能だ」と語った。同センターでは、各社の協力の下、IBMの「WebSphere」ソフトウェアを搭載する設備や、Cisco Systemsのアクセスポイントなどが利用できるという。「パートナーセンターの利用者として、中小企業ユーザーを想定している」(Flanagan)
Flanaganによれば、Lenovoは、医療/製薬/銀行業界なども、センターの有望なユーザー候補だと考えているという。例えば銀行は、PCを無線ネットワークに接続する際の安全性を確保するために、指紋リーダーを導入したいと考えている可能性がある。
Lenovoの主要な操業拠点は、現在も北京およびノースカロライナ州ローリーであるが、本社はニューヨーク州ウェストチェスター群パーチェスに置かれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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