Samsungは来週、40インチの有機EL(OLED)ディスプレイのプロトタイプを公開する予定だ。有機ELディスプレイは、バックライトを必要としないなどの理由から、現行のフラットパネルより電力消費が少ない。また、液晶ディスプレイ(LCD)に比べ、解像度が高い。これまで、有機ELディスプレイは、画面が小さな携帯電話などの装置に組み込まれてきた。
テレビに使用できるだけのサイズのディスプレイの開発には困難が伴う。しかし、Samsungは、大型のプロトタイプ開発に熱心に取り組んできた。Samsungは2004年に、1280ピクセル x 768ピクセルの解像度を持つ14.1インチの有機ELディスプレイを公開した。さらに、その後1920ピクセル x 1080ピクセルの解像度を持つ21インチのディスプレイも公開している。
今回の最新のプロトタイプでは、解像度は1280ピクセル x 800ピクセル、最大輝度が600ニト(ニトは、輝度の単位。1平方メートル当たり1カンデラの輝度を1ニトという)になる。コントラスト比は5000:1。Samsungによると、ディスプレイの奥行きは2.2cmで、奥行き3cm未満のテレビに取り付けることも可能となっている。
これらの薄型スクリーンは、Samsungの別プロジェクトであるFED(電界放出ディスプレイ)テレビと組み合わされる可能性がある。FEDテレビは、何千ものカーボンナノチューブと呼ばれる小さな部品から画面に向かって放たれる電子により描画するテレビだ。FEDテレビは、現行のフラットパネルテレビに比べて薄く、解像度も高くなる可能性を持っている。
FEDテレビのプロトタイプを開発するSamsungは、放射型テレビ用に有機ELディスプレイを設計していると述べてきた。韓国の情報通信大臣であるDaeje Chin(Samsungの前CEO)は、韓国がナノチューブテレビの輸出を2006年には開始できると予測している。
プロトタイプは、920mm x 730mmのガラス基板からできており、アモルファスシリコン技術を採用して製造されている。この工程は、LCDの製造に類似している。初期のOLEDは、より複雑でコストのかかる技術を使って製造されていた。
Samsungは、5月24日からボストンで開催される「Society of Information Display 2005 International Symposium, Seminar and Exhibition」で有機ELディスプレイを公開する予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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