携帯電話を標的とする「Commwarrior」ウイルスが先頃、イタリアでも確認された。Symbian OSの天敵である同ウイルスは、発見から数カ月の間に感染被害を拡大させていたようだ。
前々から恐れられていた通り、このウイルスは感染を広げている。セキュリティ企業のF-Secureによると、ここ3週間のうちに3カ国でCommwarriorの感染が報告されているという。同ウイルスの発生は、インドとオマーンでも報告されている。
Commwarriorは2005年1月にアイルランドで最初に確認された。同ウイルスは、マルチメディアメッセージサービス(MMS)経由によるメッセージ送信で感染拡大を試みる。同ウイルスは感染した携帯電話のコンタクトリストに登録されたアドレス宛てに、自身の複製をランダムに送りつける。Commwarriorは感染を拡大するのにBluetooth接続も利用する。同ウイルスの影響を受けるのはSymbian OSを搭載した「スマートフォン」のみ。
Commwarriorに感染した携帯電話は現在のところ、50台以下であるとされている。しかし、これがMMS経由で広まる初めてのウイルスであることから、セキュリティ専門家らはCommwarriorに対する警戒感を強めている。MMSは、ほとんどの携帯電話や、インターネットに接続されたPCに瞬時にメッセージを送信できる技術。
携帯電話に感染するウイルスの存在を知らないユーザーが多いことも、Commwarriorの感染が拡大する一因となっている。携帯電話で受信したメールを開き、添付されたマルウェアをダウンロードしなければ、同ウイルスには感染しない。同様に不審な電子メールがPCに届いた場合、多くのユーザーは、添付ファイルを開かないように注意を払うだろう。また、Commwarriorは20種類以上もの異なるメッセージを使い分けて、ユーザーにファイルを開かせようとする。このメッセージのなかには、Symbianからのソフトウェアアップデートに関する正規の連絡に見せかけたものもある。
F-Secureは、「ユーザーは好奇心が強い。だからCommwarriorをインストールしてしまう人は必ず出てきてしまう。特に、このウイルスはMMS経由でやってくるため、知人から送られたものと思ってしまう人もいるだろう」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果