logo

スカパー!BB、有料会員数拡大に向け新技術採用--新課金システムも導入

藤本京子(編集部)2005年05月13日 21時11分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー!)の提供するブロードバンドでのビデオオンデマンド(VOD)サービス「スカパー!BB」に、米EdgeStreamの提供する新技術が導入される予定だ。7月よりモニターを募って3カ月ほど試験運用し、その後同技術を本格的に採用する予定だ。

 EdgeStreamの提供する新技術は「Internet Congestion Tunnel Through (ICTT)」と呼ばれるもので、インターネット上でパケットの流れやすいルートを探し出してスムーズにパケットを配信する技術だ。同社はこの技術を「Continuous Route Optimization Software (CROS)」というソフトウェアで実現している。このソフトをコンテンツ配信サーバにインストールし、エンドユーザーが無料のプラグインをダウンロードしてPCにインストールすることで、「ストリーミングコンテンツをDVD並みの高画質で安価に提供できるようになる」と、EdgeStreamのCEO、Vinod Sodhi氏は説明する。

 従来のストリーミングは、安定した映像を配信するために、コンテンツ配信用に最適化されたネットワーク「コンテンツデリバリネットワーク(CDN)」を数多く配置する必要があった。しかし、この手法はコストがかかる上、インターネット上でパケットロスが発生して映像情報が欠如するなどの課題があった。EdgeStreamの技術を使えば、配信ルートを最適化してパケットロスを低減し、CDNなしでも安定した映像配信が可能となる。

EdgeStream CEO、Vinod Sodhi氏(左)と、スカパー! 執行役員、山崎宇充氏(右)

 これまでにEdgeStreamの技術は、米国の企業3社に採用されたほか、イギリスやイタリアの企業にも採用されている。日本国内での商用サイトへの採用は今回が初めてだが、これまでにもソフトバンクやソニーで試験的に採用された事例はあった。

 スカパー!執行役員 プラットフォーム事業部門 事業開発担当の山崎宇充氏は、「インターネットでのVODサービスの普及に向けて不可欠となるのが、ストリーミングの品質だ。DVDのような画質でスムーズに映像が流れない限り、長時間のコンテンツ配信には限界がある」と述べ、今回の新技術採用に至った背景を語った。現在スカパー!BBの会員数は13万人で、そのうち有料会員は10%程度だが、「新技術の導入で高品質なストリーミングが見られれば、有料会員も増えるだろう。試験運用でその可能性を探りたい」(山崎氏)とした。

 スカパー!では、ストリーミングの品質向上に向け、グリッド技術の導入も検討している。同社は、ウタゴエと共同で開発したシステムを用い、IP伝送されたストリーミング映像を、ユーザーのPCを中継して別のユーザーに送るという実験を開始している。各ユーザーのPCが配信サーバの役目も果たすため、サーバにかかる負担を分散できるというわけだ。ただし、この実験ははじまったばかりで、中継地点となるユーザーPCのセキュリティが保てるのかといった課題も含め、「今後数年かけて検証していく」(スカパー!事業部門 事業開発推進部 マネージャー、早川弘之氏)としている。

新課金システムも導入

 スカパー!では、さらにスカパー!BBの有料コンテンツの新課金方法として、システム・クリエイトの開発した技術を採用し、プリペイドカード方式のシステムを今夏より導入する予定だ。ID番号と一定金額の入ったCD-ROMを販売し、スカパー!のサーバでこのID番号を管理する。このCD-ROMを使えば、ユーザーは個人情報を提供することなくID番号だけでスカパー!BBの有料コンテンツを利用できる。CD-ROMの金額を使い切った場合は、おサイフケータイやWebMoneyで再入金が可能だ。

 現在、スカパー!BBの有料コンテンツを視聴するにはクレジットカードが必要だが、「同システムを導入することでクレジットカードを持たない若い世代でもスカパー!BBの有料コンテンツが利用できる。また、コンテンツ視聴の際に個人情報を提供したくないユーザーを取り込むこともできる」と早川氏は説明し、新課金システムでユーザーの拡充を狙う。

 まずは、試験的に1000円分の課金コンテンツが閲覧できるデモ用CD-ROMをスカパー!BBの既存ユーザーに配布する。おサイフケータイからの入金システムは8月中旬に導入する予定で、WebMoneyの入金システムは9月中旬の導入予定だ。スカパー!では、将来的にこのCD-ROMをコンビニエンスストアなどで販売することも視野に入れるとしている。

-PR-企画特集