IBMが従業員にFirefoxの利用を勧めている。IBMは同オープンソースブラウザがMicrosoftの Internet Explorer(IE)からシェアを奪うのに手を貸す構えだ。
IBMでは、すでに全体の約10%にあたる3万人の従業員がFirefoxを利用している。同社は米国時間13日より社内のサーバーから同ブラウザをダウンロードできるようにし、ヘルプデスクのスタッフによるサポートも提供する。
これまでにFirefox支持を表明してきた大企業は多いが、IBMはその中でも最も有名な企業のうちの1社となる。非営利団体のMozilla Foundationが開発を進めるFirefoxは、2004年11月のバージョン1.0登場以来、すでに5000万回以上ダウンロードされている。それでもIEによる市場支配は圧倒的で、Firefoxのシェアは10%にも満たない。
IBMにとって、今回の動きは、ライバル企業の製品への依存度を減らす上で重要なステップとなることだろう。
同社は、社内でのFirefoxサポートを通して、業界標準をベースにしたオープンソース製品への支持をさらに強化していくと、同社最高情報責任者のBrian Truskowskiは述べている。
「これは、オープンスタンダードとオープンソースについて主張してきたことを実践して見せた実に良い例といえる」(Truskowski)
Truskowskiによると、Firefoxは業界の標準技術をベースに開発されていることから、IBMではサードバーティ製品との互換性について不安を感じていないという。対照的に、IEではActiveXなどいくつかのプロプライエタリな技術が使われている。
「プロプライエタリなものは、避けて通りたい」(Truskowski )
Robert Frances GroupのアナリストStacy Quandtは、IBMが社内でFirefoxの利用を促していることについて、標準ベースのオープンソース製品を支持する同社の戦略に合致すると述べる。また、このことがIBM以外の企業にとっても、IEに代わるブラウザとして、Firefoxに目を向けるきっかけとなる可能性がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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