米議会が、USA Patriot Act(米国愛国者法)の重要条項の有効期間を延長すべきか否かについて、再び審議を行なおうとしている。この問題については、これまでにもさまざまな議論が巻き起っていた。
上院、下院は共に、米国時間10日にPatriot Actに関する公聴会を予定している。現在、2005年12月31日に失効する同法の一部の条項の再検討が依然として続いており、この公聴会もその一環である。再検討されている16の条項の多くは、コンピュータやインターネットの監視に関するものだ。
しかし、2001年9月11日の同時多発テロ発生後に、わずか数週間後という異例の早さでPatriot Act が制定されたプロセスを繰り返せば、批判の声が上がるのは必至であり、議員らもその点について神経質になっている。同法が制定された当時、議員らは、事前に法案にじっくり目を通す時間的余裕はなく、また内容についての論議もほとんどなされないまま、同法案への投票を余儀なくされたという経緯がある。
しかし今回は、再び同様の批判を浴びないよう議員らも万全の体制を取っている。James Sensenbrenner下院議員(ウィスコンシン州選出、共和党)はこれまでに、Patriot Actに関して計10回の公聴会の予定を組んでいる。上院司法委員会委員長のArlen Specter上院議員(ペンシルバニア州選出、共和党)は、その10回のうち少なくとも3回を同委員会で開催すると語った。
この再検討プロセスの中で、いくつかの事実が明らかになっている。ある公聴会では、警察が22カ月間にPatriot Actを108回も発動し、事前に所有者に知らせることなく一般の住居や事務所に密かに侵入し捜査を行なっていたことが判明した。
また、先週開催された別の公聴会では、同時多発テロの実行犯が公立図書館のインターネット接続をどのように利用したかについての新たな詳細情報が明らかになった。Kenneth Wainstein 弁護士によると、Wail Al Shehri、Waleed Al Shehri、Marwan Al Shehhiの3人の実行犯は、2001年7月にフロリダ州デルレイビーチの公立図書館を訪れ、インターネット接続を利用させて欲しいと申し出ていたという。
図書館員らを不安にさせたPatriot Act215条の下では、FBIは、秘密の裁判所命令を使ってテロと関連があると思われる記録(または「有形物」)を個人や組織から入手できる。秘密の裁判所命令を受けた者は口止めされており、それを公表すれば禁固刑に処される。この215条も2005年末に失効予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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