--次期CEOはPaul Otelliniですが、Andy Groveも依然として大きな影響力を持っています。彼のキャリアをどう評価しますか。
Andyによれば、私は彼の唯一の上司だとか。それが本当なら、彼は一度も上司を持ったことがないことになります(笑)。私はFairchild時代に、大学院生だった彼を採用しました。その後、彼は自力で出世の階段を駆け上り、研究部門のアシスタントディレクターになりました。それなのに、私がFairchildを辞めるというと、「私も行きます」というのです。
Andyは個性的な人物で、これまでにもキャリアチェンジを数回経験しています。彼がIntelに入ったとき、われわれは彼を研究部門のディレクターか何かにしようと考えていました。ところが、彼は組織経営にとても興味を持ち、博士号を取り、技術的視点から見た経営の本まで書きました。私の跡を継いでCEOに就任すると、次第に業界スポークスマンの役割も果たすようになりました。CEOを退き、会長になると、今度は政府と一緒に仕事をするようになりました。それまでの仕事からは手を引かなければなりませんでしたが、この新しい分野でも彼はすばらしい仕事をしました。
--ご自宅でもコンピュータを使いますか。
相変わらず、一日の半分をコンピュータの前で過ごしています。Eメールは私の生活にはなくてはならないものです。最近は一年の半分をハワイで過ごしています。Eメールのためでなかったら、ネットワークには接続しないかもしれませんね。表計算やワープロソフトを使うこともあります--この2つが、私が最もよく使う機能でしょう。ちょっとしたゲームもします。それから写真の加工も。
ソフトウェアには非常にいらいらさせられることがあります。何らかの理由でコンピュータをシャットダウンしなければならないときは、うんざりしながら再起動を待っていますよ。
--米国のテクノロジー産業の未来を楽観視していますか。
ITやバイオテクノジー関連の会社を興すなら、シリコンバレーは今でも最高の場所です。必要な人間には、すべてここで会うことができますからね。最大の問題は、金がかかりすぎることです。特に住宅費はひどい。若い人が引っ越して来るのは大変でしょう。IT不況のときですら、住宅の値段は上がり続けていました。なぜ値段を上げ続けることができるのか、私には分かりません。
シリコンバレーは昔ほどユニークな場所ではなくなりました。今では、技術的に拮抗している場所はほかにもたくさんあります。米国の競争力は難しい局面を迎えていると思います。米国の教育制度は本来の姿を見失っており、特に幼稚園から高校3年生までの教育には問題があります。大学は今でも高い水準を維持しています。
米国は手強いライバルに取り囲まれています--特に中国の影響は、今後さらに大きくなっていくでしょう。11億、12億もの人口を抱える国家の影響は絶大です。次の20年間で、この影響がどのように現れるのかが分かるでしょう。私は米国が今後も重要なプレイヤーとなることを期待していますが、米国がこれまで通りの地位、たとえば過去20年間と同じ地位を維持することはないと思います。そのためには大変な努力が必要です。中国は今、米国の10倍の数の技術者を育成しています。世界の資源の消費者としても存在感を強めており、技術面でも急速に追い上げつつある。起業家精神も旺盛です。
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