サンフランシスコ発--Intelは米国時間7日、WiMax機器向けに開発したチップのサンプルを初めて公開し、ワイヤレスブロードバンドが今後3年で確かな発展を遂げるとの見解を示した。
当地で開催中の開発者向けカンファレンス「Intel Developer Forum」で同社は、Rosedaleという開発コードをもつ同チップがProWireless 5116 Broadband Interfaceというボードに搭載される予定であることを発表した。同チップには、ワイヤレスブロードバンドネットワークで求められる機能のうち、無線以外のものが全て組み込まれている。無線機能は、Texas InstrumentsやSMIなどのサードパーティから供給される予定だ。同社は、一部の主要顧客に対して同チップのサンプルを出荷し始めているが、これを搭載した製品が発売されるのは来年になる。
有線イーサネットやセキュリティ、各種インタフェースのサポートなどの機能を搭載したRosedaleプロセッサは、機器に素早く組み込めるような設計になっている。
Intelのブロードバンドワイヤレスグループ担当ゼネラルマネージャーScott Richardsonは、「Rosedaleは第1世代の技術であり、固定ブロードバンドにアクセスするためのラスト1マイルを各家庭に提供する。2006年にはノートブック、2007年には電話機に搭載されるようになり、どんどん持ち運びやすくなる」と語った。
WiMaxに準拠したハードウェアの価格はそのうちWi-Fi製品と同程度になる、とRichardsonは語っている。
「われわれは、戦略パートナーと一緒にこのチップの試験を行っている。今後6〜9カ月で相互運用性などの各種テストを実施し、2005年後半には製品に組み込まれるようになる」(Richardson)
WiMaxは今後さまざまな周波数帯域を利用する形で世界中に普及するだろうとRichardsonは述べ、認可の有無に関わらず、2.5GHz/3.5GHz/5GHzなどの帯域を利用していくことになると付け加えた。
また同氏は、今後WiMaxではテレビ地上波放送向けの周波数帯域を使用するようになるだろうという。
「ワイヤレス技術に向いているのは、電波が建物内部にも到達しやすい1GHz以下の帯域だ。米国をはじめとする世界各国では、3年以内にこれらの帯域が利用可能になる。Intelではこれを実現すべく規制当局にはたらきかけている」(Richardson)
IntelはWiMaxに関して3つのビジネスモデルを考えている。具体的には、ケーブルやDSL (デジタル加入者回線)などの固定ブロードバンド回線へのアクセス、都市圏で移動時にアクセスできる巨大ホットスポット、携帯端末間のハンドオフを実現した完全なモバイルシステム、の3つだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」