調査会社IDCが、2004年のデジタルカメラ市場調査結果を発表した。それによると、ハイエンドモデルに対する需要が高まっていることを受け、キヤノンが僅差で出荷台数トップの座についたという。
IDCのまとめによると、キヤノンは全世界で1263万台のカメラを出荷し、市場シェア17.1%を獲得したという。第2位につけたソニーは1232万台を出荷し、市場シェア16.7%を確保した。それに続くKodakは、出荷台数が871万台、市場シェアが11.8%だった。なお、市場全体の総出荷台数は7400万台だった。
これらの数値には、コンパクトカメラと操作の複雑な一眼レフモデルの両方が含まれている。IDCのアナリストChris Chuteによると、IDCが年間出荷台数の調査にデジタル一眼レフカメラを含めたのは今回が初めてだという。
デジタル一眼レフカメラはかつて、主にプロのカメラマンが使う高価で特殊な製品だった。だが2004年に、キヤノンのDigital Rebelなど、1000ドル未満のモデルが投入されたことにより、デジタル一眼レフカメラは消費者向けの製品へと変化した。
Chuteによると、キヤノンはデジタル一眼レフカメラで大胆な価格設定とマーケティングを行った結果、デジタルカメラ市場においてトップの座に躍進することに成功したという。また、キヤノンは、一眼レフカメラをデジタルイメージング分野におけるホットな市場へと成長させるのに一役買ったと同氏は付け加える。
「キヤノンの成功要因は、価格設定とプロモーションにあった。年末までには500ドルのデジタル一眼レフが登場するだろう」(Chute)
デジタル一眼レフカメラ市場の成長で最も大きな打撃を受けたのは、高倍率ズームや高解像度を売りとするハイエンドの「プロシューマー(プロフェッショナルとコンシューマーを組み合わせた語)」カメラだった。Chuteは、このカテゴリーがおそらく消滅するだろうと予測する。「この分野の新製品が2005年に登場したら驚きだ」(Chute)
これは、まだデジタル一眼レフカメラを製造していないソニーにとって悪いニュースだ。同社が製造に踏み切れないのには、交換レンズをはじめとするフイルム写真時代の資産がないなどの理由がある。
「同市場への参入方法を模索することが、ソニーにとって得策だ」(Chute)
コンパクトデジタルカメラの販売台数では、ソニーが依然として市場トップの座に君臨している。ソニーの2004年におけるコンパクトカメラの出荷台数は1232万台、市場シェアは17.2%だった。この市場で2位と3位につけたのはそれぞれキヤノン(出荷台数1119万台、市場シェア15.7%)とKodak(出荷台数863万台、市場シェア12.1%)だった。コンパクトデジタルカメラの総出荷台数は7150万台で、2003年の4793万台から49.2%増加している。
Chuteは、今後数年間は買い換え需要が減ることから、デジタルカメラ市場の成長は緩やかなものになると予測する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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