Delta Air LinesやGoogleの元社員に見られたように、職場のことをブログに書き込むことが、解雇などの思わぬ結果を招く可能性がある。
ブロガー(と、その上司たち)が、法的トラブルに巻き込まれることなく執筆活動を続けられるよう、電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation:EFF)が職場におけるブログ執筆ガイドラインを発表した。
EFFはガイドラインのなかで、顔を知らない人だけでなく、友人や同僚も自分のブログを読む可能性があると、ブロガーに注意を呼びかけている。匿名でブログを執筆することも、トラブルを回避するための対策の1つであると、EFFは述べる。
「何らかの形で執筆者を特定できる情報が盛り込まれたブログは、いずれ、知り合いから見つけ出される。その結果、重大なトラブルに巻き込まれることになりかねない。あなたの家族があなたの包み隠さない考えを読んで、ショックを受けたり動揺したりするかもしれない。あるいは、あなたの採用を検討している人がブログを読んで、採用をためらうかもしれない。だからといって、ブログ執筆を断念するべきではない。ブログにはこうしたリスクがあることを肝に銘じ、ブログの存在を周囲に隠したり、あるいは一部の信頼できる人だけにアクセスを許したりするなどの対策を考えるべきである」と、EFFのガイドラインには記載されている。
本当の名前を使わないこと、そして会社の所在地や従業員数、上司の飼い猫の毛色など、身元の解明につながるような情報は明かさないことが匿名を維持するコツだ。
このガイドラインにはさらに、職場のリソースを使ってブログを書かないようにとの忠告も盛り込まれている。
「インターネット回線などの会社のリソースを使ってブログを執筆すれば、会社から処罰される可能性がある。しかも、ブログ執筆が、重要な仕事の1つであると主張するのは相当困難だ。そもそも、社内ネットワークのトラフィックを監視する同僚やシステム管理者に気付かれないように会社でブログを付けるのは難しい」(同ガイドライン)
さらにEFFは、クローキングデバイスの使用も勧めており、見つかりたくなければ自分のブログがGoogleのランキングに表示されないようにもすべきだとしている。
ブログが原因で、ユーザーは訴訟を起こされ、窮地に追い込まれる可能性がある。その一方で、ブログは、大企業の内部告発を行うための貴重な手段でもある。しかし、EFFはブロガーに対し、内部告発を試みるなら、キーボードに向かって書き込みを始める前に規制当局に相談するべきだと、忠告している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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