一過的な流行なのか
次世代のウェブアプリケーション技術の開発に取り組む技術者たちは、JavaScriptの復活により未来のビジョンが脅かされるとの考えを笑い飛ばし、むしろ勢いに乗るGoogleのおかげで彼らも勢いづいていると主張する。
「Googleは、あれほどのスケールで多数の人々にサービスを提供している企業としては、異例の冒険をしている。古いインフラのある他の企業では、ああしたことができるという可能性さえ知らないようなことをフロントエンドでやっている」とLaszloのTemkinは言う。「私はGoogleがこうした道を選択したことを非常に喜んでいる。なぜなら、ウェブベースのリッチアプリケーションに関して、われわれから見れば途方もなく明白なことを、Googleは市場に対して実現するよう迫っているからだ。同社のおかげで、ポータルなどはそこにある価値に注目せざるを得なくなっている。われわれにとって、これは実にすばらしいことだ」(Temkin)
Googleは同社の標準ベースのアプローチに対するイデオロギー的傾倒を一切否定している。同社はそれまでにすべての選択肢を評価したとしており、新たな技術が利用可能になったり、既存の技術が洗練されるなどすれば今後もあらゆる選択肢の評価を行っていくと述べている。
Googleは、JavaScriptのアプローチについて、至らない部分がいくつかあることを認めている。たとえば、このアプローチでは、サードパーティ製品とのアプリケーション統合がいっそう困難になっている。
しかしGoogleは結局、「JavaScriptは十分機能する」という重大なプログラミング上の判断を下したという。
「われわれは他の技術も検討したし、一部の他の選択肢についても検討したが、今のところこれらの技術は乗り換えの必要性が感じられる段階にない」と、Gmailプロジェクトを率いたGoogleのエンジニア、Paul Buchheitは述べている。
「AvalonやMozillaのXUL(拡張ユーザインターフェース言語)などが強化されて十分普及するようになれば、われわれもそれに関心を持つだろう」(Buchheit)
結局、JavaScriptや他のDHTML技術から離れようとする動きは、いずれも他の選択肢の改善というよりはアプリケーションの需要から出てくるものになるだろう。
「Googleは、まだ第1歩か2歩めを踏み出したところであり、終点に達したわけではない。WordやExcel、Powerpointに取って代わるものは、こうしたやり方では構築されないだろう。そんなことが起こるとはちょっと考えられない」(Temkin)
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