A・ハーツフェルドが語る「Macの誕生と、その他の物語」(後編) - (page 2)

Scott Ard(CNET News.com)2005年04月08日 10時00分
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 私の価値観はシンプルです。重要なのは、最大多数の人に最高のものを提供することです。音楽が自由に流通する世界--それは人類の宝であり、人々の生活を豊かにするものです。それが必ずしもビジネスを損なうとは思いません。特にアーティストは恩恵を受けるでしょう--レコード会社の重役ではなく、アーティストが最大の分け前に預かるシステムでは、ユーザーもよりよい音楽を楽しむことができるようになるはずです。

 私はBitTorrentのヘビーユーザーとして、先日SuprNovaが閉鎖されたことを遺憾に思っています--さまざまな法的圧力を受けたために、サイトの運営者が音を上げたのです。音楽業界が間違いを犯したことは明らかです。このサイトは音楽会社がファイル交換を管理する助けになったはずです。このビジネスをつぶすということは、地下のファイル交換行為を助長することに等しい。この結果、中央サイトを必要としないファイル交換が急速に増殖することになるでしょう。顧客を訴えても問題は解決しません。音楽業界の行動はひどく矛盾しています。過去40数年間にわたり、レコード会社はラジオ局に金を払って、自分たちの音楽を無料で流してもらっていました。それとファイル共有がどう違うというのでしょうか。

--音楽と映画産業に続いて、次はどの分野またはプロセスが断絶を引き起こす技術の洗礼を受けると思いますか。

 政治です。前回の選挙でも、すでにその兆しは現れていました。このオープンなシステムを利用すれば、誰もがあらゆる情報にすぐにアクセスすることができます--この現実はいずれ、米国の政治システムに影響を与え、願わくは、それを是正することになるでしょう。前回の選挙を振り返ると、「何かが壊れた」という気がします。インターネットは考えつく限りあらゆるビジネスに影響を及ぼすことになるでしょう--すでに、ある程度はそうなっている。今は、いわば中間地点なのです。元服はしたが、結婚にはまだ早い・・・という時期なのです。

--ブログがコミュニケーションの形を変えつつあります。あなたはブログを書いていますか。

 いいえ。ブログは過大評価されていると思います。世間はあれこれいっていますが、ブログはただのウェブページです。それがある種のスタイルに成形されているにすぎない。ほとんどの場合、ブログの原動力となっているのは利己主義です。

 podcastにはうんざりです。私にいわせれば、あれはばかげている。突然、情報を取り込んだかと思ったら、もう同じ情報にアクセスすることはできない。読むこともできない。そもそも、podcastには画期的なところなど何もありません。podcastがMP3ファイルをストリーミングしていることは確かですが、MP3のストリーミングは簡単ですし、今に始まったものでもありませんから、新しい呼び名を考えたからといって、何の功績にもなりません。それに、RSSのエンクロージャを利用してMP3のストリーミングを行うというのは、基本的にはいただけないアイディアです--試聴もしないうちに、大きなファイルを自動的にダウンロードするわけですからね。音声はストリーミングできるだけの小さな帯域幅しか必要としないものであるべきです。iPodにはまだネットワーク接続機能がないので、iPodから直接ストリーミングを行うことはできません。802.11ワイヤレス規格を採用したiPodの登場を待ちかねています。そうすれば、Macを持ち歩かなくても、好きな音楽をAirPort Expressにストリーミングできるようになるでしょう。

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