GMOペイメントゲートウェイがマザーズに新規上場--買いが多く値付かず

藤本京子(編集部)、別井貴志(編集部)2005年04月04日 22時58分

 グローバルメディアオンライン(GMO)の子会社で、オンラインクレジット決済処理サービスを運営するGMOペイメントゲートウェイが4月4日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場した。公募価格は80万円で、初日は買い注文が多く値付かずとなった。一時は160万円まで買い気配値を切り上げた。

 同社は、オンラインショッピングやカタログ通販、テレビショッピングなど、非対面販売を行う事業者に向け、クレジットカード決済において発生する加盟店とカード会社間での業務の仲介や集中処理を行っている。同社の前身となるカードコマースサービスが2004年11月ペイメント・ワンと経営統合、のち2005年1月にGMOの子会社となり、2月に社名をGMOペイメントゲートウェイへと変更している。

 2005年9月期第1四半期(2004年10月〜12月)の業績は、売上高が2億5300万円、営業利益が6600万円、経常利益が6200万円、純利益が2億500万円の損失だった。通期(2004年10月〜2005年9月)の見通しとしては、売上高が12億円(前期比49.8%増)、経常利益が2億7200万円(同41.6%増)、純利益が2000万円(同86.7%減)を見込んでいる。

 上場して調達した資金は、既存サービスのセキュリティを強化するためのシステム投資や内部管理体制の充実などに当てる予定だとしている。

 GMOペイメントの人気の背景は、他のIT・インターネット関連企業のIPOが好調で、その中には暴騰している企業も目立つことが理由のひとつになっている。特に際立っているのが、3月9日に大証ヘラクレス市場に新規上場したオンラインゲームやモバイルコンテンツを手がけるガンホー・オンライン・エンターテイメントだ。公募価格120万円に対して初値が3.5倍の420万円と初日に高騰。同社は、ソフトバンクの代表取締役社長を務める孫正義氏の弟である孫泰蔵氏が代表取締役会長を務めている。株価はその後も上昇が止まらずに、4月4日には一時1480万円の高値を付けた。およそ半月で公募価格比で12倍に暴騰している。

 このほか、IT・インターネット関連企業の最近のIPOは好調が目立つ。公募価格に対する初値の上昇率を見ると、3月9日にジャスダック市場に新規上場したシステム開発事業や情報処理サービス事業を手がけるシステムズ・デザインが66.7%、3月16日に東証マザーズ市場に新規上場した製造業向け業務改革コンサルティングやシステム開発導入・運用等のサービスを手がけるネクステックが332.6%、3月17日に東証一部に新規上場したオンライン証券のカブドットコム証券が81.9%、3月23日に大証ヘラクレス市場に新規上場したインターネットを活用した与信管理情報の分析・提供サービス事業などを手がけるリスクモンスターが307.3%など、いずれも良好だ。

 ただし、3月4日にジャスダック市場に新規上場したADSLブロードバンド回線事業のアッカ・ネットワークスと、3月23日にジャスダック市場に新規上場したケーブルテレビのジュピターテレコムの通信インフラ2社は、初値が公募価格と同額で、今年のIPO企業の中ではもっともうまくいかなかった。

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