経営難が続いているチップメーカーのTransmetaが、ハードウェアビジネスからほぼ撤退しようとしている。
過去5年間に5億ドル以上の赤字を出した同社は、Crusoeおよび130ナノメートル版Efficeonという2つのプロセッサの販売を中止した。今後は、一部の顧客に対して条件を見直した上で、90ナノメートル版Efficeonの一部のモデルを供給することになるという。
同社は今後、自社の保有する知的財産のライセンス事業や、エンジニアリング/コンサルティング・サービスを提供していく計画だという。この事業建て直し策の一環として、ソニーはTransmetaのLongRun2技術をライセンスし、これを半導体に組み込むことになりそうだと述べている。Transmetaとソニーの両社は声明の中で、LongRun2技術がCellプロセッサの派生製品の中に組み込まれる可能性があることを示唆している。
Transmetaはこの戦略転換の一部として、Matt PerryがCEOを退任し、代わりにマーケティング部門のシニアバイスプレジデントだったArt Swiftが新たにCEOとなることを発表した。これにより、Transmetaでは過去4年弱の間に3度CEOが交代したことになる。
同社はまた、67人の従業員をレイオフする計画で、残りの従業員数は200人強となる。
同社は1998年以来、あわせて1億2780万ドルの売上を上げたが、累計の赤字額は6億1410万ドルに達している。すなわち、同社は過去5年間で1四半期ごとにほぼ2000万ドル以上を失ったことになる。
Swiftは、同社が引き続き90ナノメートル版Efficeonプロセッサを製造していくと述べたが、同社は同プロセッサがこの世界で長生きないかもしれないとの考えを示した。同社はこのリストラの一環として、同プロセッサの契約条件を再交渉し、価格を引き上げる可能性もあり得ると、Swiftは述べた。
知的財産のライセンス供与は儲けの大きなビジネスになる可能性がある。英国のARMはチップ設計をライセンス供与するビジネスを通じて、携帯電話業界の主要なプレイヤーとなっている。また、Rambusのような他の企業では、知的財産をめぐる訴訟で和解し、数百万ドルを手に入れている。しかし、このやり方が成功を収めるとは限らない。半導体業界では、1990年代後半に知的財産をめぐる訴訟が数多く起こされたが、そのほとんどは結局立ち消えに終わったか、1度も争われなかった。
現時点でTransmetaとライセンス契約を結んでいるのは、ソニー、NEC、富士通の3社しかない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス