あるインターネット広告企業が、Skypeや他のVoIPサービスのユーザーを対象に、検索機能をはじめとする複数の機能を備えた広告付き無料ソフトウェアを配布している。
ニューヨークを拠点とする未公開企業のUnited Virtualitiesは米国時間28日、VoIP通話を録音したり、録音した通話データを検索したりするためのソフトウェア「HotRecorder」を公開した。ユーザーは、これを利用して、VoIP通話のデータを保存するためのボイスメール・ボックスを作成したり、データを電子メールや携帯電話に転送したりすることが可能になる。なお、VoIPとは、インターネットへのブロードバンド接続を電話回線の代わりとして使えるようにするための技術のこと。
HotRecorderは、Skype、AOL Instant Messenger、Firefly、Yahoo Messenger、Net2Phoneを利用した通話に対応する。同ソフトウェアの無料バージョンを利用すると、ユーザーの居住地域や性別、年齢に応じた広告が表示される。広告のないバージョンは、15ドルで販売されている。
「VoIPは普及が進んでいる。VoIPをもっと面白いものにするためのサービスが今、求められている」とUnited Virtualitiesの創業者兼CEOのMookie Tenembaumは述べた。
従来の電話サービスよりも低価格で提供されていることもあり、VoIPはここ数年の間に急速に普及している。例えば、Skypeは現在およそ7400万人の登録ユーザーに対し、インターネット国際電話サービスを無料で提供している。
大手ポータル企業各社も、VoIPへのサービス拡大を狙っている。America Online(AOL)は先頃、VoIP市場に独自の電話サービスで参入する予定だと発表した。YahooもPCベースの音声サービスに興味を示しており、既に英国でサービスを立ち上げている。Microsoftは自社のインスタントメッセージング(IM)ソフトウェアに通話機能を搭載することを計画している。GoogleがVoIPビジネスを英国で提供開始するという噂も流れている。
VoIP通話の検索サービスは、Googleのように検索を主要サービスとする企業にとって、今後取り組みやすい分野かもしれない。電子メールやIMを対象としたデスクトップ検索ツールを既存に提供しているGoogle、Yahoo、Blinkxは、VoIPも視野に入れている可能性がある。
United Virtualitiesは、HotRecorderを社内で開発した。ユーザーは、同ソフトウエアを利用して通話を録音し、録音ファイルに複数のキーワードをタグ付けすることができる。ユーザーが通話を検索するときは、このキーワードを利用する。同ソフトウェアは、文字列に変換された音声データに対して、検索をかけるものではない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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