ついに本格化か--期待が高まる米国のケータイ向けコンテンツ市場

Ben Charny (CNET News.com)2005年03月29日 14時32分

 携帯電話用ソフトウェアをダウンロード販売するインターネットサイトがまた新たに登場した。米国の携帯電話事業者は契約者がダウンロードできるコンテンツの種類に厳しい制限を貸すことで有名だったが、このdirtyhippo.comはこうした制限が緩和されていることを示す最新例といえる。

 米国の携帯電話事業者は、何年も前からメッセージング、着信音、ゲーム、壁紙や他の携帯電話用アプリケーションなど、ほぼすべてのコンテンツを提供していたが、ただし外部企業の提供するものはごくわずかだった。いわゆる「塀で囲まれた庭(walled garden)」的なこのアプローチは、事業者に大半の利益が入ることを保証したが、事業者が実際に提供する数少ないサービスに利用者が大きな関心を示すことはなかった。

 しかし、昨年から携帯電話事業者の考え方に変化が見え始めた。自社のネットワークを外部のソフトウェア企業に開放して、ダウンロード数に応じた利用料を徴収することで得られる利益のほうが、自社コンテンツの売り上げ減のリスクや、ウイルス等の弊害を持つ可能性があるソフトウェア配布のリスクよりも大きいことを認識し始めたのだ。米国最大の携帯電話事業者であるCingular Wirelessと第4位のT-Mobile USAは現在、大半のサードパーティー開発会社が加入者へ直接サービスを提供することを認めている。

 しかし、門戸が大きく開放されたわけではない。業界筋によると、第2位のVerizon Wirelessと第3位のSprintが外部企業に販売を許可しているのは、儲けの少ない星占いやニュースアップデートなどの文字情報に限定されているという。しかし、両社でも近い将来に外部企業による「バイナリ・データ」の販売を認める予定であることを各々の幹部が明らかにした。これが認められれえば、ゲームを含む、より高価でポピュラーなマルチメディアアプリケーションが販売できるようになる。

 これまで米国市場への参入を検討していたヨーロッパやアジアの企業各社は、こうした変化を待っていた。米国時間28日に発表になったDirtyhippoは、ロンドンを拠点とする携帯電話用ソフトウェアベンダーで、同社を所有/運営しているのは欧州の大手無線データ通信企業Buongiorno Vitaminicだ。Cingular WirelessとT-Mobile USAの契約者は、dirtyhippoのブランド名で販売される同社のダウンロードサービスを利用できるようになった。

 これまで精彩を欠いていた米国の携帯電話向けコンテンツ市場だが、Dirtyhippoのような外部ベンダーの参入で売上が増大する可能性がある。昨年度のコンテンツの売上について、Cingular、Verizon、Sprintの各社はいずれも10億ドルを稼ぎ出したと主張しているが、同時にこの金額は携帯電話市場全体の売上から見ると非常に小さなものでしかない。携帯電話でのコンテンツ利用を促進するためには、たくさんのマーケティング活動が必要となるが、しかし米国の携帯電話会社はこうした取り組みに尻込みしており、それが機会損失につながっていると、BuongiornoのBurton Katzは述べている。

 「米国はこの分野で世界最大の市場になると思う。携帯電話用コンテンツを求めるニーズは世界のどこにいっても変わらない」(Katz)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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