NECエレクトロニクスは3月29日、音の聞こえる位置を自由に制御可能な携帯電話向け音源LSI「μPD9971」のサンプル出荷を開始した。フュートレックの「三次元(3D)ポジショニング機能」ハードウェアコアを導入し、任意の位置に仮想音源を配置できる。128和音サラウンド音声にも対応した。税込みサンプル価格は800円。量産は8月に開始し、月産100万個と見込む。
同LSIを利用すると、2つのスピーカー出力を加工し、音が上下左右から出ているように制御できる。4つの仮想音源を左右に広げて配置すると、聞く人を取り囲むようなサラウンド音声も作れる。「ゲームなどの臨場感を大幅に向上することができ、今後いっそうの複雑化が想定される多様なサービスに対応する携帯電話が簡単に構築できる」(NECエレクトロニクス)
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128和音のPCM音源を採用したことで、和音数が従来の2倍に増え、発音数に制限されない曲作りが可能となる。残響音を表現するリバーブや、1つの音が複数鳴っているように聞かせるコーラスのほか、ピッチベンド、ビブラート、ディレイ、ドップラ、コンプレッサという7種類の音響効果機能を搭載。MIDI関連の国際標準仕様Mobile-XMFに対応しており、同仕様に従った音楽ソフトウェアなどの流用が可能。
動作電圧は最高3.3V。動作周囲温度は−20〜+85℃。パッケージは85ピンテープFBGAで、6mm角、0.5mmボールピッチ。
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