Apple Computerは、まだ発売になっていない次期Mac OS X 「Tiger」をインターネットで配布したとして3人の開発者を訴えていた件で、そのうちの1人と和解に達した。
Appleは米国時間23日、Doug Steigerwaldという22歳の青年との間で和解が成立したことを明らかにした。同社は和解条件の詳細を明らかにしていないが、Steigerwalddによると、この条件のなかにはAppleに対する賠償金の支払いも含まれているという。カリフォルニア州サンノゼの連邦裁判所で12月に起こされたこの裁判で、同社はまだ残りの2人と係争中だ。
AppleはCNET News.comに宛てた声明のなかで、「われわれは今後も必ず自社の開発した技術を守り続けるが、学生を刑務所に送ることはわれわれの望みではない」とし、「Steigerwald氏が自らの責任を認め、この訴訟に決着を付けられたことをうれしく思う」と述べている。
Steigerwaldはノースカロライナ大学をすでに卒業し、現在就職活動を続けている。Steigerwaldは用意した声明を読み上げ、自分に対する強制捜査も行われたことを明らかにした。同氏はこの声明のなかで、Appleの申し立てに間違いはないとし、自らの行為を謝罪する、と述べた。
「AppleのDeveloper Connectionプログラムに加入していた私は、同社からリリース前のMac OS X 10.4『Tiger』を受け取ったが、これは外部に漏らさないという約束でもらったものだった」と同氏は言う。「しかし、私はこのプレリリース・バージョンをインターネット上で配布したため、同ソフトウェアの違法コピーが何千人もの手にわたることになってしまった」(Steigerwald)
Steigerwaldの弁護人を務めるCheshire Parker所属の弁護士、Joe Cheshireによると、同氏の声明の表現もAppleとの和解の合意内容で決められたという
Appleはこの訴訟で、自社製ソフトウェアのこれ以上の公開を阻止する差し止め命令と不特定額の損害賠償金を求めていた。
AppleはすでにTigerを発表しているが、しかし出荷はまだしていない。同OSは今年前半に発売される予定だ。これまでに、開発者向けのテストバージョンが何度か配布されているが、これらはすべて同ソフトウェアの機密保持を条件に配られたものだ。
Appleは12月に出した声明のなかで、「Apple Developer Connectionのメンバーは、厳密な機密保持契約を結ぶことにより、市販に先駆けてApple製ソフトウェアを入手できる。われわれは、自社の知的財産を保護するため、この契約を非常に重視している」と述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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