ユタ州知事は米国時間21日、インターネットサービスプロバイダ(ISP)にポルノサイトと思われるウェブサイトの遮断を義務付ける法案に署名した。電子メールサービスプロバイダや検索エンジンも同法の対象となる可能性がある。
論議を呼んでいる同法に基づき、ユタ州は「未成年者に有害」と思われるコンテンツを公開しているウェブサイトの公式リストを作成する。ユタ州に拠点を置くISPは顧客に対し、リストに掲載されているサイトにアクセスできないようにするための方法を提供しなければならない。違反した場合は重罰が科される。
ハイテク企業各社は、同法は憲法違反の疑いがあり、条文の内容があまりに曖昧なため、全体的な影響が依然として不透明であると主張し、ユタ州の州知事Jon Huntsman(共和党)に法案に署名しないよう働きかけてきた。
SB 260と呼ばれてきた同法には次のように記されている。「サービスプロバイダは、消費者から要請があれば、アダルトコンテンツレジストリに掲載されているコンテンツを送信してはならない」。同法は、サービスプロバイダのことを、「消費者にインターネットアクセスサービスを提供する」個人もしくは法人と定義している。この中にはケーブル企業から、誰でも利用可能な802.11無線接続を提供している大学、コーヒーショップ、一般家庭なども含まれる。
ウィスコンシン州ミルウォーキーに拠点を置くマーケット大学ロースクールのEric Goldman教授は同法に対する批評の中で次のように述べている。「(各州の)インターネットポルノ対策法が、米国憲法修正第一条や通商条項に違反しているとして、ことごとく廃止されていることを考えると、同法が問題をどう切り抜けるのか、展望がなかなか見えてこない。」
Huntsman州知事の広報担当Tammy Kikuchiは21日、「(知事は)違憲性については心配していない」と語った。
権利擁護団体のCitizens Against Pornographyなど、ユタ州の同法案の支持者らは、両親が家庭のインターネット接続をより厳しく管理できるようにするための手段として、同法の制定を強く求めてきた。
同法では、コンテンツプロバイダも適用の対象となる。同法はコンテンツプロバイダの定義として、営利目的で「電子データを作成、収集、取得、編集する」全ての企業と定めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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