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アドビが特別であるわけ - (page 2)

Mike Ricciuti(CNET News.com)2005年03月17日 10時56分
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--ホンダの例にならうと、Adobeのコア・コンピタンスは何でしょうか。

 一般ユーザーと企業の円滑なコミュニケーションを支援するソフトウェアです。Adobeのソフトウェアは情報に高いインパクトや信頼性、そして安全性が求められる場、情報の見せ方が重視される場で利用されています。

--Microsoftが電子フォーム市場に参入すると決めたときは、すわAdobeと直接対決かと市場は色めき、さまざまな憶測が飛び交いました。InfoPathなどの製品が登場したことで、Microsoftとの競争は激しくなったと思いますか。

 いいえ。それに、Microsoftがこの分野で今何をしているのか、われわれにはほとんど聞こえてきません。InfoPathが爆発的に売れたという話は聞きませんし、販売目標が達成されたとも思えない・・・いずれ、そして長期的な進歩を成し遂げるためには、MicrosoftはPDFと同じような方向性を目指すようになるでしょう。

 約10年にわたる努力の結果、PDFは世界標準となりました。基幹ワークフローを変更することは、多くの組織にとって非常に困難となるでしょう。今では多くの国の政府機関がPDFの利用を推奨し、PDFを事実上の標準と見なしています。その数を考えただけでも、後発であるMicrosoftが、これらのワークフローをすべて白紙に戻すことができるとはとても思えません。しかし相手はMicrosoft、年商400億ドルを誇る巨大企業ですからね・・・。

--プラットフォームを握っている強みもあります。

 その通り。Microsoftが独占企業であることは、司法省も認める事実です。しかし、Adobeも悪くない位置につけていると思いますよ。

--ライバルといえば、Appleに関してはいかがですか。Adobeにとって、Appleはライバルですか、パートナーですか、それともその両方ですか。

 パートナーであると同時に、いくつかの面ではライバルといえるでしょう。当社の売上の約25%がMacユーザーによるものであることを考えると、Appleは重要なパートナーです。Adobeにとって、Macユーザーは非常に忠実な顧客であり、非常に重要な顧客でもあります。それはAppleにとっても同様です。ですから、パートナー関係を結ぶことは両社の利益になる。この点で、われわれはとてもうまくやっていると思います。OS X向けのアプリケーションを最も多く開発したのはAdobeです。OS Xへの最適化に最も積極的だったのも、おそらくAdobeでしょう。Macにとって最大のISVは、Adobeだといっても過言ではありません。しかし、一部の分野では確かに、われわれは競合している・・・特にビデオ分野では、双方の合意のもとで、熾烈な戦いを繰り広げています。

--Adobeの売上に占めるMac製品の割合はほとんど変わっていないのですか。

 全体としては減少しています。大きな原因としては、Acrobatとエンタープライズ事業が好調だったことが挙げられるでしょう。この2つは基本的にWindowsの独壇場ですからね。

--Linuxにはどう取り組むつもりですか。2004年秋、CNETはAdobeがLinux市場開発のリーダー職を募集していると報じました。先日はAcrobat ReaderのLinux版が登場しましたが、これはLinux版への需要を探る試みなのでしょうか。それとも、その他のAdobe製品にもすでに、Linux版への十分な需要が存在するのでしょうか。

 需要は存在します。まずはエンタープライズ向けサーバ(ソフトウェア製品)の大部分をLinuxに対応させる予定です。デスクトップLinuxに関しては、ご指摘の通り、様子を見ているところです。顧客の声に耳を傾け、市場の動きを観察し、研究することで、Linux版を投入するアプリケーションを決定していきたいと思います。

 現実問題として、一部の垂直市場や新興市場を除くと、デスクトップをLinuxに移行させた企業はそう多くありません。ですから、われわれは顧客の声に耳を傾けることで、企業がLinuxに移行する可能性とその時期を見極めたいと考えています。以前はUnix環境でビデオ関係の作業をしていたが、今はLinuxを使っているという人はたくさんいます。垂直型のアプリケーション、生産システム、顧客サービスを持つ企業、そして一部の国の政府機関もLinuxに移行しつつあります。しかし、Adobeの従来の顧客の間では、こうした変化はまだ一般的とはいえません。

--Linux版が登場する可能性があるのはどの製品でしょうか。Photoshopか、それとも・・・。

 まずはLinuxワークフローに移行する可能性のあるグループを見極め、そのグループがどのアプリケーションを必要とするかを考えたいと思います。例えば、政府機関や銀行、保険会社といった大企業は、市民、顧客、あるいは潜在顧客が何らかの理由でデスクトップLinuxを導入しているなら、これらの個人や組織と文書を交換する方法を確保しなければなりません。Linux環境でもすべての情報を保持できるか、Windows/Mac用Adobe Readerの豊富な機能をすべて利用できるか、それらの文書をAdobeのサーバ製品で扱えるかを確認しなければなりません。今はこの目標に向かって、努力を重ねているところです。

--すでに具体的な計画があると。

 そうです。Linuxの導入はクリエイターよりも企業の間で進んでいるようです。多くのMacユーザーは今でもMac OSに満足しています。Linuxに乗り換える説得力のある理由がないのです。多少なりとも乗り換えが進んでいるのは、インドや中国といった新興市場ですが、正直なところ、違法コピーなどの問題から、Adobeにとっての市場規模は大きいとはいえません。

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