日立製作所は3月15日、実生活で必要な運動能力を持ち、マイクなしで人間と対話して行動ができるサポートロボット「EMIEW(エミュー)」を開発したと発表した。
人間に安全・安心や便利・ゆとりをもたらし、人の暮らしをサポートするロボットとして開発されたEMIEWは、人と同じ空間で人に合わせて動けるように設計されている。コンパクトで素早く移動できる倒立二輪移動機構を採用、内蔵したセンサで傾きを計測して車輪を駆動させるため安定した走行や停止が行える。最大速度が人の早足に相当する時速6kmであるため、人が遅いと感じることがなく、障害物があってもセンサで検知して回避が行える。
日立では、これらの機能は実生活で人間とロボットが共存するために必要な機能であり、従来型のヒューマノイドロボットにはない機能だとしている。
また、音声認識機能は人がマイクを利用しなくとも、1m程度離れた場所から認識することができる。複数の聴覚センサと視覚センサを装備しているため、聴覚センサでとらえた音の違いを分析して発信源を見つけ、視覚センサで人の顔を確認することで離れた場所からでも音声を聞き分けることができるという。また、応答も高品位音声合成技術によって自然な声で行える。
声だけではなく、動作によるコミュニケーションも行える。6つの自由度をもつ腕と物をつかみながら運ぶことのできる手があるため、動作も自然だ。人間の動きをモーションキャプチャーで計測し、動作データとして活用することで表情豊かなボディコミュニケーションを実現している。
このEMIEWは新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託事業「次世代ロボット実用化プロジェクト プロトタイプ開発支援事業」の一環として開発された。2005年日本国際博覧会において6月9日から19日の間は「モリゾー・キッコロメッセ」で、7月中旬から夏休み期間中は「Nature Contact 日立グループ館 ユビキタス・エンターテインメント・ライド」でデモンストレーションと展示を行う予定となっている。
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