Microsoftが、米国の特許制度を改革するべきだと発言した。同社は、知的所有権関連の訴訟のため、年間1億ドルも費やしている。
Microsoft法律顧問のBrad Smithは米国時間10日、ワシントンのAmerican Enterprise Institute for Public Policy Researchで講演を行い、次の4点に関して特許制度の改革が必要だと述べた。その4点とは、特許の質を高めること、過剰な提訴を抑制すること、特許基準を国際的に統一すること、小規模企業や個人に対する特許法適用範囲を広げることである。
Smithは、「われわれが属している産業界や米国は、特許権保護で大きな利益を得てきた。だが、技術の革新と経済の国際化が進む中、米国の特許制度を改革する必要が生じている」と語った。
Microsoftは、およそ35〜40の特許訴訟を常時抱えている。こうした訴訟にかかる年間1億ドルに及ぶ経費を削減したい同社は、制度の改革に大きな関心を持っている。なお、Microsoftが制度改革に興味を示す一方で、欧州委員会(EC)は米国式のソフトウェア特許制度の導入を検討し始めている。
Smithによれば、米特許商標庁(U.S. Patent and Trademark Office:USPTO)に出願される年間特許申請件数は1980年代から3倍となり、35万件以上にも上っているという。Microsoftも、今年だけですでに3000件以上の特許申請を行った。
Smithは、USPTOの運営経費が出願数の増加ペースに追いつけず、財政難に陥っていたことを受け、審査に関わる料金体系が先ごろ改定されたことに言及した。Smithは、政府が多額の料金収入をUSPTO運営以外の目的に流用しているとして、これをやめさせるよう議会に訴えた。
「Microsoftは、こうした政府の行為を抑止しようとする議会の意志を強く支持している。引き続き、USPTOの収入を流用する一切の行為を恒久的に廃止するための措置をとってもらいたい」(Smith)
また、Smithは、連邦区レベルの特別な裁判所にすべての特許訴訟を担当させることで、こうした訴訟に整合性と予見性をもたらすべきだとも述べている。
同氏はさらに、裁判所が特許の使用差し止めを被告に言い渡す前に、特許訴訟の原告もしくは原告側企業は、金銭賠償では回復不能な損害を被ったことを証明する必要があると述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス