「知る権利よりも企業秘密保護の権利」--米判事、まずはアップルに軍配

Ina Fried and John Borland (CNET News.com)2005年03月14日 11時05分
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 カリフォルニア州の判事は米国時間11日、Apple Computerに、同社の未発表製品についての詳細を公開したウェブサイトの電子記録を召喚する権利があるとの判決を下した。

 サンタクララ郡高等裁判所の判事James P. Kleinbergは、Appleに対し、MacファンサイトのPowerPageが利用する電子メールサービスプロバイダー、Nfoxからの記録入手を認めた。 同判事は判決のなかで、自社の業務機密に関するAppleの権利は同社の情報に対する一般の知る権利に勝ると述べた。

 「健康や安全性、福祉など、万人に影響を及ぼす危険を明らかにする内部告発者や、公務員による管理の問題などを政府職員とは異なり、(ファンサイトは)情報に対する飽くなき欲望を満たしているにすぎない」(Kleinbergの判決文)

 Appleは、未発表の音楽関連製品であるAsteroidに関する情報を流出させた従業員の身元を割り出すために、複数のMacサイトへ召喚状を送付する権利を求めていた。同社は、昨年暮れに起したこの裁判で、情報を流出させた人物を訴えており、Macファンサイト自体は訴訟の対象になっていない。一方、Appleは別の裁判で、Think Secretというファンサイトが自社の業務機密を侵害したとしてを同サイトを訴えている。

 Kleinberg判事はこの判決のなかで、PowerPageサイトの運営者がジャーナリストであるかどうか、そしてこの人物がカリフォルニア州の法律を盾に情報源の身元を明かすことを拒否した場合に侮辱罪の適用を免れるかどうか、という主張の大部分を退けた。

 「さまざまなメディアの登場で、『ジャーナリスト』の定義はますます複雑化している。しかし、たとえ申立人がジャーナリストであったとしても、これは免罪符と同等に扱う類のものではない」(Kleinberg)

 今回の判決のこの部分については、やはり企業の機密情報を公表するケースも多い従来メディアに失望を持って迎えられる可能性が高い。

 カリフォルニアの業務機密保護法は、機密情報の公表行為を防ぐものだ、とKleinbergは述べた。長く支持されているこの法律は、法廷に対して情報の開示を妨げることを禁じているが、報道関係者は今後も自らの行為の結果に対する責任を負う、と同判事は語った。

 Appleの未発表製品に関する情報は、「ハードディスクに同じ情報を保存したラップトップコンピュータなど、ほかのさまざまな物品と同じ盗品である。統一企業秘密法(Uniform Trade Secrets Act)やジャーナリスト関連法(Penal Code for journalists)など対象となる法律にも、または対象者にも、例外や免除はないということになる」(同判事)

 同判事は、上訴のための時間を与えるべく判決の執行を7日遅らせた。提訴されている2つのサイトの代理人を務めるElectronic Frontier Foundationの弁護士は、判決を覆すべく上訴すると述べている。

 EFFの弁護士Kurt Opsahlは、「判例法には、ジャーナリストを召喚するのは最後の手段でなくてはならないとある。Appleはこれを最後の手段として使っておらず、ジャーナリストを召喚するにあたって事前に形式的な調査しかしていない」と話している。

 Appleの関係者から判決に関するコメントを得ることはできなかった。

 Kleinbergは、Apple製品について知ることに関するMacファンの権利を認めたが、しかし だからといって自社の情報を保護するAppleの権利に勝るニーズがあるということにはならないとした。

 「一般の人々は、これまでAppleについてのゴシップに強い興味を示してきており、今後もそれは変わらないだろう。このため、Apple関連の情報を載せたウェブサイトが1日に数十万ピットを集めていることには不思議はない。しかし、公共の利益(the public interest)と、興味をもつ一般人(an interested public)とは同じものではない。」(同判事)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

 
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