NECは3月11日、IPマルチキャスト通信を用いて自律的な通信品質の管理を可能とするインターネット放送システムを開発したと発表した。
既存のコンテンツ配信系サービスは1対1の通信方式であるユニキャスト通信によって提供されているが、この方式は視聴者数の増加に対してサーバやネットワークへの負荷、管理コストなどが爆発的に高くなり、サービス規模の拡大を図ることが難しい。そこで近年では、1対多通信であるマルチキャスト通信の適用が検討されてきた。
今回発表されたシステムでは、ヒント情報の埋め込みや全受信者へのプロキシ配布、集計サーバの階層的設置を行なうことで詳細な受信状況を収集。トラフィック情報のリアルタイム集計、トラフィック情報に基づく優先度の動的設定により通信品質を管理している。これにより、マルチキャスト通信で懸念されていた受信状況の収集や、収集したトラフィック情報に基づく通信品質の管理などの問題点を解決したというわけだ。
同社では、今回の開発が視聴者数の制限を解消した大規模かつ実用的なインターネット放送の実現に大きく寄与すると考え、今後も研究開発を強化していく予定だ。
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