アートとしてのコンテンツに対するコペルニクス的転換を
コンテンツを日本の戦略産業分野にという掛け声は結構だが、基本的な開発ツールがPixar Animation Studiosのように映像制作と同期しながら開発されるというような環境が存在せず、効果的なプロジェクト管理や脚本評価などのプレ制作開発段階でのシミュレーションが一切なされない日本では、いかんせん表面的な議論になりがちだ。やれプロデューサーを養成しろ、著作権を十分にガードせよ、と。
しかしながら、アート性の高い作品を生み出すクリエーター排出のための教育環境整備や著作権を含めたコンテンツ流通のあり方を議論することも重要な一方で、より高いクリエイティビティを発揮させるための環境ギャップを何らかの形で埋めるという施策も必要に違いない。
だが、考えてみると、そんな状況はクリエーターやプロデューサーがおかれた環境だけではない。僕らのPCのデスクトップ上に並ぶアイコンを眺めてみると、ほとんどは米国製であることに気がつく。もちろん、Microsoft Officeを使ったからといって予算管理のクオリティが米国に有利になるというものではないのだが。
さて、少なくともコンテンツの領域を強化するためには、この問題をどうやって解決したらいいのだろうか。新たに参加したThinkという会社にとってビジネスチャンスだと僕はとらえているのだが、読者の皆さんはいかがお考えになるだろうか。
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