NECは3月10日、IT・ネットワーク統合「UNIVERGE(ユニバージュ)ソリューション」の情報漏洩対策を強化し、新たに3つのソリューションの販売活動を開始した。UNIVERGEとは、音声やデータ通信とコンピュータシステムを統合することにより、企業の生産性の向上や効率化などを可能とする各種サーバやスイッチなどネットワークコア製品を使ったソリューション群を指す。
NEC執行役員の都筑一雄氏は、「データの共有やコミュニケーション、モバイルなど、いつでも、どこでも、誰とでもつながる“ブロードバンドオフィス”が進展するにつれて、情報漏洩のリスクが高まっている。4月の個人情報保護法の全面施行を前に、そうした対策へのニーズが増大しており、ブロードバンドオフィスの利便性とセキュリティの強化を両立させるためのソリューションだ」と説明した。
新ソリューションの1つめは、「UNIVERGE データ集中化ソリューション」で、価格は20ユーザーで820万円から。SIPテレフォニーサーバ「UNIVERGE SV7000」導入済みのユーザーは、20ユーザーで75万円からとなっている。データやアプリケーションの処理などをサーバに集中させることで、データのコピー防止やPC紛失時の情報漏洩を防ぐ。データ集中化サーバにはクライアント仮想化機能があり、データの処理はサーバ内で行われ、クライアントPCには処理されたデータの表示イメージだけが送られる。PCにはデータの実体が送られないので、データをコピーしたり保存したりすることはできない。
また、UNIVERGE SV7000とデータ集中化ソフトウェア「MetaFrame」との連携により、データをサーバに集中管理した環境でも、IP電話やウェブ会議の利用が可能になっている。たとえば、ウェブ会議でグラフなどの資料を見せながら会議をしても、参加者はグラフ本体のデータを共有せずにグラフの表示イメージを共有しているので、データそのもののが流出するリスクが減るわけだ。
シンクライアントに似た仕組みだが、ここでいうクライアントPCはHDDを搭載した一般的なWindowsのPCを指している。「ブロードバンドオフィスの利便性を考えれば、Officeを始めとするアプリケーションをそのままクライアントだけで使えた方がいい。クライアントにアプリケーションやデータ保存機能を持たせないようにすることまでを一気にやるには、導入する企業の負担を考えると現実的ではない」(都筑氏)というわけだ。
2つめのソリューションは、「UNIVERGE フィジカルセキュリティソリューション」で、価格は1000万円からだ。1枚のICカードを使い、ビルやオフィスの入退出管理から、PCのログイン、社内ネットワークのアクセスなど、一連の認証を一元的に管理できる。1カ所だけではなく、全国に点在する支社や工場などの入退出やログインなども一元管理できるので、出張時には同じICカードを持っていけばいい。
また、利用PCとプリンターが離れているオフィス環境も多いだろう。その場合、印刷物を取りに行っている最中に他の人が持って行ってしまうことがある。こうしたことを防ぐために、プリンターに接続されたICカードリーダーにカードを指して認証してからでないと、印刷物が出力されないようにすることもできる。
3つめのソリューションは、「UNIVERGE セキュアIPテレフォニーソリューション」で、価格は300ユーザーで500万円からだ。SIPによるIP電話の利用で通話データや電話をつなぐための呼制御データの暗号化を行う。これにより、通話先の情報や通話内容の両方を保護できる。
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