連邦選挙管理委員会(FEC)は、連邦選挙資金法を部分的にインターネットにも適用すべきか否かを検討する準備を進めているが、CNET News.com読者の間からは、ブロガーの言論の自由が危機にさらされることを心配する懸念の声が上がっている。
FECの委員を務めるBradley Smithは先ごろ行なわれたインタビューの中で、ブロガーがあやまって選挙運動サイトへのリンクを張ってしまったり、候補者のプレスリリースをメーリングリストに転送してしまい、気付いたら罰金を課されていた、という事態を招きかねないと指摘した。
SmithはFECの6人の委員の1人だ。FECは、論争を巻き起こした2002年の選挙資金法の適用範囲をインターネットにも拡大するという危険な取り組みを開始しているが、CNET News.comの一部の読者によると、この動きに伴い、合衆国憲法修正第1条に関する厄介な問題が浮上しているという。
News.comのある読者が次のような書き込みを行なっている。「ウェブサイト上にリンクを張ることと、候補者を支持するバンパーステッカーをクルマに貼ったり、自分の家の庭に看板を立てることとの違いが分からない。(FECの取り組みは)行き過ぎであり、表現の自由の行使を阻害しようとしている。」
また別の読者は、ブログも当然、(言論の自由を保障した)合衆国憲法修正第1条で保護されるべきだと主張している。
「ブログは、自由な言論として保護されるべきだ。ブログは放送であり、定期刊行物でもあるから、報道の自由で保護されるべきだ」とその読者は述べている。
「私には候補者を支持する権利がある」とこの読者は記し、さらに次のように続ける。「私は、メーリングリストやフォーラムなどで、自分が選んだ人々と集い、候補者や主張に抗議/賛同したり、自分が選んだ話題について教えたりコメントしたりする権利を行使できる。候補者に提供した政治資金の金額の公表のみが義務付けられるべきであり、それ以外は干渉しないで欲しい」
FECは2002年に、選挙資金法のインターネットへの適用を4対2で否決した。しかし、米地裁判事のColleen Kollar-Kotellyは2004年秋に、FECのこの決定を覆した。Kollar-Kotelly判事は判決文の中で次のように述べている。「組織化された通信に対する規制の適用範囲からインターネット通信を除外した同委員会の決定は、(選挙資金法の趣旨を)大きく損なうものだ」
Smithと共和党の委員2人はインターネットに関連する部分について控訴を希望したが、民主党の3人の委員の賛同を得られなかった。
一部の読者からもKollar-Kotelly判事の判決を覆すための訴訟を求める声が上がった。別の読者も他の読者に対し「この種の検閲」に対してはっきりと意見を主張し、戦っていこうと呼びかけた。
一方、読者の中には、インターネット上の政治評論家たちが危険にさらされているとするSmithの評価に異議を唱えた者もいた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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