Microsoftは、ファイアウォール越えやコラボレーションなどの新機能を追加することにより、企業向けインスタントメッセージング(IM)製品ラインアップの強化を図ろうとしている。現在同社は、デスクトップ用通信クライアント「Istanbul」(開発コード名)の発売に向け準備を進めているが、同製品は米国時間8日にも発表される見込みだ。
Microsoftが各社との提携や製品開発を進める狙いは、企業向けIM市場の拡大/促進にある。人気のデスクトップIMクライアントを採用する企業数は徐々に増えているが、今のところIM市場は予想されたほどの急成長は見せていない。
Microsoftは7日、カリフォルニア州サンノゼで7日から開催されるVON Spring 2005 Conferenceで、オンラインコラボレーションプロバイダのRadvisionとルーティングの専門企業Jasomi Networksの2社と提携したことを発表する予定だ。RadvisionとJasomiの両社は基本的に、MicrosoftのLive Communications Server 2005(LCS)向けのアドオンを提供している。LCSは当初、企業が従業員に安全なIMを提供するための一手段として発売されたソフトウェアだ。現在Microsoftは、Office製品群を拡大し、単なる生産性アプリケーションの集合体からの脱却を図るべく取り組んでいるが、LCSはその取り組みの大きな柱となっている。
デジタル接続された一般家庭の多くや、ほぼ全ての企業を保護しているネットワークセキュリティは、多くのインターネットサービスにとって頭痛の種になっている。特に、インターネット電話サービス、テレビ電話/会議サービス、プレゼンスサービスにとって問題は深刻だ。数あるネットワークセキュリティ技術の中でも最も厄介なのがファイアウォールとNetwork Address Translation(NAT)の2つだ。ファイアウォールは2つのネットワークの間に境界を作る技術で、NATは組織内のみで通用するIPアドレスを利用する技術だ。Jasomi Networksは、いわゆる「ファイアウォールの中のNAT」の問題を解決するための機器を開発している。
Microsoftの新しいソフトバンドル製品は、電話、ケーブル、その他のサービスプロバイダが企業顧客向けサービスを提供する際に使用することを意図して作られている。現在、カナダのあるサービスプロバイダが同ソフトを使用しているが、MicrosoftのシニアプロダクトマネジャーのMark Sandersはインタビューの中で、それ以上の詳細は明かさなかった。
大方の予想では、Microsoftは8日にサンフランシスコで開催されるイベントで同社の新しいIM/リアルタイム通信クライアントIstanbulを発表すると見られている。同イベントではBill Gates会長が自ら、Istanbulを披露する予定だ。Istanbulは従来のIMにはない様々な機能を備えている。例えばIstanbulは、「Outlook」のカレンダー情報を参照して、ある人物宛てにかかってきた電話を、その人物のデスクトップに通知すべきか、あるいは携帯電話に転送すべきかを判断することができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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