Intelのある経営幹部が米国時間3日、教育システムの衰退により、米国はハイテク分野で二流国に転落する恐れがあると警告した。以前には、Microsoftの会長Bill Gatesが同様の懸念を表明している。
IntelのシニアバイスプレジデントPat Gelsingerは、Intel Developer Forum(IDF)で行われたハイテク業界の指導者らによる公開討論会の席上で、「(米国の)教育システムは悲惨な状況にある」と述べ、さらに「教育インフラは脆弱で、すでに崩壊しつつある」と付け加えた。
Gelsingerは、Intelのような企業であれば外国の労働者を雇用することで問題に対処できるが、その結果、米国は壊滅的状況に陥る危険性があると指摘した。過去にも同氏は、博士号取得者数の減少が特に問題だと指摘している。
Gelsingerは、「グローバル企業に勤める人間としては、現状で何の問題もない」としながらも「米国民としては不安を感じる。米国の長期的競争力低下を憂慮している」と語った。
Microsoftの最高技術責任者(CTO)Craig Mundieも米国教育の現状について懸念を表明した。「米国教育の質は一段と低下しつつある」(Mundie)
Mundieの上司に当たるGatesは先週、「米国の高校は時代遅れだ」と述べ、この問題について、より具体的な指摘を行った。
有能な技術者の新たな宝庫と目されている国はどこかとの問いに対し、Mundieは、Microsoftがまだ研究センターを設置していない国の1つであるロシアを挙げた。同氏は、ロシアが保有する数学/科学分野の遺産は、新たな技術的問題を解決する上で重要な鍵になり得ると指摘した。
一方、Gelsingerは中東に関心を持っているという。Intelはすでにイスラエルで幅広い分野の開発を行っているが、その他の中東諸国にも興味があるという。同氏によると、IntelはエジプトでのIDF開催を計画中だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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