M・ケイパーがお宝ゲット--注目を集めたオークション、不発に終わる

Marguerite Reardon(CNET News.com)2005年02月24日 20時24分
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 コンピュータやインターネットの起源を探った珍しい資料や出版物のコレクションが売りに出されるということで メディア各社が大きく取り上げていた競売が、米国時間23日にニューヨークのChristie'sで行われたが、結果は予想を下回る低調なものとなった。

 「The Origins of Cyberspace: A Library on the History of Computing, Networking & Telecommunications(サイバースペースの起源:コンピュータ・ネットワーク・通信の歴史に関する蔵書)」と呼ばれるこのようなコレクションがChristie'sに出品されるのは今回が初めてで、落札額は120万ドルを超えるとみられていた。しかし、蓋を開けてみれば、ひと握りの人間しか入札に参加せず、落札額はあわせて71万4060ドルと、当初の目標額を大きく下回り、出品された1000アイテムの多くには買い手が付かなかった。

 「アイテムごとの人気にとてもムラがあった」と、このコレクションを集めた稀少本収集家のJeremy Normanは述べている。「買い手は入札しようとするものをよく吟味しており、一部のアイテムにはまったく興味を示さなかった。メディアから大きな注目を集めていたことを考えると、こうしたアイテムに興味を持つ人々は少なくないはずだが、今回は買い手の興味を引きつけられなかったのだと思う」(Norman)

 Christie'sの広報担当者によれば、同社はこの結果に満足しているという。

 「新しいタイプのコレクションを扱う場合、初回はいつも少し実験的なものになる」と、Christie'sの広報担当アシスタントバイスプレジデントのBendetta J.F. Rouxはいう。「われわれがこの結果を非常に前向きにとらえていることには変わりがない。一部には関心がみられたものもあったこれで希少品収集の新しい分野が開けたと思う」(Roux)

 今回競売にかけられたアイテムのなかには、最初のプログラム可能なコンピュータの開発について詳細を記した文書や、記録上最初のソフトウェア、データ通信に関する数学理論、通信の起源を記した文書などがあった。

 これらのうちで最も人気が高かったアイテムの1つは、J. Presper EckertとJohn Mauchlyが1946年に書いた「Outline of plans for development of electronic computers(「電子計算機開発計画の概要」)」だ。これは、コンピュータ会社用に書かれた初めてのビジネスプランだと考えられているものだ。EckertとMauchlyは初めて実用化されたコンピュータ、BINACを開発し、IBMがコンピュータビジネスの分野に進出するより数年早く、世界初の電気式計算機メーカーを創業した。

 全8ページからなるこの原稿は、相応の人間に落札されたといえるかもしれない。Lotus Developmentの創業者で、現在はオープンソース団体の活動に関わっているMitchell Kaporは、5万〜7万ドルで落札されるといわれていたこの原稿を7万2000ドルで手に入れたれ。Kaporは1980年代前半にLotus 1-2-3という表計算ソフトを設計したが、同ソフトはパーソナルコンピュータをビジネスの必須アイテムにするのに一役買ったキラーアプリだ。

 Kaporはその他にもいくつかのアイテムを落札した。同氏は、Edmund Berkeleyの「Giant brains or machines that think(「考える巨大な脳あるいはマシン」)」を1万6000ドルで、またWilliam Ross Ashbyの「Design for a brain(「脳の設計」)」の初稿を2400ドルで競り落とした。この原稿には、サイバネティクスの創始者であるNorbert Wienerへの献辞が書き込まれている。Wienerのはじめたサイバネティクスは電気工学、数学、生物学、神経生理学、人類学、心理学を組み合わせた学問分野だ。

 「私が買ったもののほとんどは、個人的に特別な思い入れのある品々だ」とKaporは言う。「私はイェール大学でサイバネティクスを専攻していたが、当時はまだ誰もサイバネティクスなんて言葉を聞いたことさえなかった。また、ケンブリッジの街の、Norbert Wienerが育ったのと同じ通りに家を構えていたこともある」(Kapor)

 同氏は、今回競り落としたお宝の一部を自らが会長を務めるOpen Source Applications Foundationのサンフランシスコオフィスに展示する予定だと述べた。また、そのほかのアイテムは公共施設での展示のために貸し出されることになる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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