高音質の楽曲のダウンロードを非常に安価に提供しているロシアの音楽販売サイトが、著作権法違反の疑いで、地元警察の捜査を受けていたことを、レコード業界団体が米国時間22日に発表した。
すでに数年間営業を続けてきたAllofMP3.comは、楽曲のダウンロード料金として、1Mバイト当たりわずか2セントしか徴収していない。この料金体系だと、1曲でも、だいたい4〜10セントで済む計算だ。Apple Computerの「iTunes」のような通常のダウンロードストアでも提供されている楽曲とともに、AllofMP3.comでは、デジタル配布がまだ認められていないThe Beatlesやその他のグループの楽曲にもアクセス可能になっている。
同ウェブサイトは、地元のクリアリングハウスからダウンロード提供の許可を得ていると主張したが、レコード業界はそのライセンスは正規のものではないとはねつけた。この件については長期に渡りこうした苦情が申し立てられてきたが、モスクワ市警察のコンピュータ犯罪捜査部門は今月初めに捜査を終わらせ、検察にウェブサイトの運営者を著作権法違反の罪で告訴するよう求めた。
国際レコード産業連盟(International Federation of the Phonographic Industry:IFPI)モスクワ支部のリージョナルディレクターIgor Pozhitkovは、「われわれは、AllofMP3.comが、ロシア国内およびその他のいかなる地域においても、当団体メンバーの楽曲を配布する許可を得ていない事実について、一貫して申し立ててきた。このたび、警察の努力によって、このような重要な事件が検察の目に止まったのは、喜ばしいことだ」と発表している。
今回の捜査は、著作権保持者にとって、ロシアにおける問題解決への大きな前進となるかもしれない。レコード業界や映画業界はこれまで、ロシアの法執行機関に海賊版問題に取り組むよう説得できずにいた。
スペインでも同様に、「合法」を自称する2つのダウンロードサイトが問題になり始めている。これらのサイトは、地元の著作権協会から楽曲の販売許可を取得したと主張している。レコード業界は2社を提訴しており、現在は、一方のWeblisten.comだけがオンラインで営業を続けている。もう一方のPuretunes.comは1000万ドルを支払うことで著作権協会と和解している。
AllofMP3.comは、ユーザーが個人使用目的で楽曲をダウンロードしている限り、同サイトがRussian Multimedia and Internet Societyから取得した許可は正当だとしている。同サイトに英語で書かれたメッセージには、AllofMP3.comは「他国の法律に従う義務はなく、ロシア人以外のユーザーの行動には責任を持たない」とある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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