Googleのウェブ製品ディレクターMarissa Mayerは、この機能の実装にあたっては同氏の率いるグループ内で健全な議論が戦わされたと述べている。チーム内ではMicrosoftが廃止したスマートタグ機能との類似は考慮されなかったという。しかし同氏は、AutoLinkはユーザー自身が確実に管理できる設計になっている、としている。
GoogleのAutoLinkは、Microsoftのスマートタグと機能面こそ似ているものの、設計面では異なっている。Microsoftは数年前、マシン上のドキュメントやコンテンツを自動的にリンクしてデータを取得するスマートタグを開発した。この機能は現在もOfficeに採用されており、Word書類に個人の氏名を書いてアイコンをクリックすると、その人物の住所や電子メールアドレスなどが呼び出せるようになっている。
同社は、2001年にOffice XPをリリースした際、Internet Explorer 6のベータ版にもこの機能を追加した。だが、Microsoftがページ上のテキストをデフォルトでMSNサイトにリンクしようとしたことに対し、インターネットコミュニティが一斉に異議を唱えたため、結果的にはIEからこの機能が削除された。
「スマートタグはガイドのようなもので、今見ているものを解説したり、見る場所を教えてくれる。不信感は、ガイドを受ける機能に対してではなく、むしろガイド役に対するものだった」(Purcell)
商標問題を専門にする弁護士やセキュリティ専門家によると、リンクを追加する際にGoogleがウェブページの基盤となるHTMLを改ざんするため、AutoLinkも問題になる可能性があるという。
Gibson Dunnnoの弁護士Terence Rossは、「『表示されているコンテンツの所有権』をめぐる問題だと捉えている。Googleがコンテンツを所有しているわけではない。同社が他人のコンテンツを使って収入を得ることは、多くの場合知的財産法に違反することになる」と語った。
Googleではいまのところ、AutoLinkをつかった広告主へのリンクは張っていない。またMayerは、Amazon.comへのリンクについても、料金は支払われていないとしている。4月に予定される完全版のリリース時には、ユーザーがISBNのリンク先を複数の選択肢のなかから選べるようになる可能性もあると、同氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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