ボーダフォンは2005年2月7日、社長を含む役員の異動を2005年4月1日付けで実施すると発表した。現在の社長兼CEO(最高経営責任者)の津田志郎氏は会長に、現ボーダフォンUK社長のウィリアム・ティー・モロー氏が日本法人の社長にそれぞれ就任する。
社長から会長になる津田志郎氏は、NTT常務取締役、NTTドコモ副社長、ドコモエンジニアリング社長などを経て2004年12月1日にボーダフォン社長に就任。社長就任後2カ月という極めて短期での人事異動となる。新社長のウィリアム・ティー・モロー氏は2001年に日本テレコム取締役に就任し、2001年12月から2003年12月まで同社の代表取締役社長を務めた。ボーダフォンの新体制ではCEOは定めず、津田会長とモロー新社長との二人三脚で経営する。なお、COO(最高業務責任者)のデイビッド・ジョーンズ氏は2005年3月31日付けで退任する。
4月からボーダフォン 取締役会議長代表執行役会長に就任する津田志郎取締役代表執行役社長兼CEO |
現体制下でもボーダフォンの業績は依然下降線をたどっており、2004年12月末時点の契約者数は前年同月比3.0%増の1521万件と上位2社におくれをとっている。これについて、第三世代(3G)携帯の投入時期が遅れたことが理由のひとつと津田氏は説明する。同社の2004年4月〜12月期の売上高は、日本テレコム売却による顧客減少などの要因もあり、前年同期比14.4%減の1兆1027億円に留まった。
今回の人事の背景には、業績の回復が急務であるという状況がある。津田氏は「ボーダフォン復活のカギとなるのはグローバルな視野と日本の技術の融合。このために経営体制の強化が必要」と、モロー氏との二人三脚の新体制の意味を説明した。それぞれの役割の詳細は明らかにはしていない。
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