アプリケーションのオンライン化
IBMのBuell Duncan(開発者および独立系ソフトウェアベンダー関連部門ゼネラルマネージャ)は12月に、IBMは2005年にアプリケーションパートナー各社と共同で、ソフトウェアをサービスとして売り込む取り組みを加速させることになると述べ、このために技術面および営業面の資源を追加投入すると述べた。IBMは、新たなISV企業獲得を目指すより大きな計画の一部として、自社のソフトウェア/ハードウェアインフラ上で稼働するアプリケーションを開発する企業や、同社のデータセンターを利用してソフトウェアのホスティングサービスを提供する企業を集めていく。
包括的なオンラインアプリケーションを提供するには、多くの企業の参加が必要となる。オンライン金融アプリケーションプロバイダーのIntacctやCRMソフトウェアメーカーのSiebel Systems、オンライン経費管理サービス会社のConcurなどはその一例であり、こうした企業がコードをカスタマイズしなくてもきちんと連動するよう各々の製品を作るようにすることが求められる。
「一連のオンデマンドソフトウェアを横断的かつ縦断的に組み合わせ、こうしたモデルを利用するユーザーに大きなメリットを提供する--これがこのプロジェクトの目標だ」と語るのは、ビジネス用ホストアプリケーションプロバイダーIntacctのCEO、Robert Jurkowskiだ。同氏はまた、このプロジェクトの成功によって、ユーザーは簡単にソフトウェアを購入でき、一貫したサポートを受けられるようになると述べた。
異なるウェブアプリケーションを統合するという難関をクリアできれば、ソフトウェアサービスを導入する際のハードルも低くなるだろう。ソフトウェアサービスはウェブの到来以来久しく叫ばれ続けてきたが、いまやっとありふれたものになったといえる。このように技術が成熟したことに加え、オンラインでアプリケーションを提供する企業が増えていることから、多くのISVが自社のアプリケーションをインターネットを介して利用できるよう、その改良に励んでいる。
Siebelの例を見てみよう。同社は当初ソフトウェアサービスという考え方を支持していなかったが、その後IBMと提携し、Siebel CRM OnDemand」というサービスを開発した。このサービスではIBMのデータセンターでアプリケーションを動かしている。また、新興企業のSalesforce.comは、すでに1万2000人もの顧客を獲得した。
Oracleも、ソフトウェアをサービスとして提供することに力を入れ始めた企業の1つだ。同部門の売り上げは全体から見ればまだ小さいものの、長期的視野に立てば、同サービスの利用料金はいずれ重要な収入源になるとOracleでは考えている。ライセンス販売で得られる収益より、メンテナンスや各種サービスに対するサブスクリプションのほうが割がよいというわけだ。
「Oracleは、エンタープライズアプリケーション市場の成長鈍化を認識しており、そのためにソフトウェアサービスに注力している」とKucharvyは分析し、さらにソフトウェアサービスは「ベンダーの収益モデルを、ライセンス販売による先行徴収型から、継続的な契約料徴収型へシフトさせる触媒」となると指摘した。
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