米国政府は、IBMによる中国Lenovo GroupへのPCビジネス事業売却計画が米国の国家機密に与える影響について、徹底調査に踏み切ったようだ。
The Wall Street JournalとBloombergが米国時間28日に伝えたところによると、外国企業による米国企業買収を審査する米政府のCommittee on Foreign Investments in the United States(CFIUS)が、両社の契約について徹底調査の実施を決めたという。
米国と海外の企業が関与するすべての取引は、CFIUSにより最低30日間の審査を受けることになっている。この徹底調査は契約の妨害につながるものではないが、徹底調査の手続きが取られるケースは少ない。両メディアによると、審査は45日以内に完了しなくてはならないという。
財務省関係者は、連邦安全保障規則を理由にこの問題に関するコメントを避けている。しかし、IBMは同委員会と協力していることを明かしている。
IBMの広報担当Ed Barbiniは28日、「IBMは全面的に協力しており、手続きの内容と結果には自信がある」とCNET News.comに語っている。
CFIUSによる徹底調査はかなりまれなケースだが、IBMとLenovoの場合は既に予想されていたもので、先週はじめには提案されている売却の徹底調査の実施を議員が連名でCFIUSに働きかけていた。また、Bloombergも先週はじめ、姓名不詳の情報源の話として、この取引がCFIUSの徹底調査を受けていることを伝えていた。
国際関係委員会委員長のHenry Hyde(共和党:イリノイ州選出)、軍事委員会委員長のDuncan Hunter(共和党:カリフォルニア州選出)、中小企業委員会委員長のDon Manzullo(共和党:イリノイ州選出)の4名は連盟で書簡を提出したが、このなかには「まず、この契約によって、米国の高度な技術と法人資産が中国政府の手に渡ってしまう可能性がある。次に、ライセンス供与が可能であったり、輸出規制の対象となる技術が中国政府の管理下に置かれてしまうことも考えられる。そして最後に、米国政府は、中国政府が参加したり、あるいは中国政府が履行者となったりするようなPC関連の契約を締結しなければならなくなる可能性がある」と書かれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス