Microsoftは、現地の反トラスト規制当局が懸念を示したことから、欧州地域での発売を準備している新Windowsの名称を変更すると決定した。
同社は12月、新しいプログラムに「Windows XP Reduced Media Edition」という名称を用いると発表していた。この新しいWindowsは、欧州委員会(EC)の指示により、Media Playerが除外されている。
だがECは、Microsoftがこうした名称を新製品につけることによって、消費者の新Windows購買意欲を鈍らせ、現行バージョンを使い続けるよう奨励する結果になっては、Windowsの機能限定版を出すよう命じた意味がなくなると異議を差し挟んだのである。これを受けたMicrosoftは、同名称の使用を断念した。同社スポークスマンのStacy Drakeが米国時間28日に語ったところでは、Microsoftは現在新たな名称を検討中であるとのことだ。
「ECから、予定していた名称を変更するよう要請があった。この名称が先にECから受けていた指示に反するとは考えていないが、変更には同意した。現在、ECと協力しながら、代わりとなる名称を検討しているところだ」と、Drakeは明かした。
一方、EC関係者は、この件に関していまだ沈黙を守っている。もっとも、28日の各メディアの報道によると、ECはさらなる罰金をちらつかせて、これ以上Microsoftが新Windowsの魅力を損なわせるような行動をとらないよう、けん制したという。
新Windowsに付けられた「Windows XP Reduced Media Edition」という名称は、Microsoftがなめた苦汁の象徴でもあった。同社は昨年、ECによって独占禁止法違反の裁定を下され、メディアプレイヤーソフトを搭載しないWindowsを販売するよう命じられた。さらにMicrosoftは、6億4800万ドルにものぼる賠償金も支払っている。
Media Playerが搭載されていないばかりか、他社のソフトウェアを追加インストールしないかぎり、新Windowsだけでは、CDやMP3ファイルを再生することも、楽曲を携帯機器に転送することもできない。
Drakeは、「反トラスト規制を遵守するのは容易ではなく、その過程でさまざまな問題や疑問が生じても何ら不思議はない。MicrosoftはこれからもECの決定を尊重し、その遵守のため協力を怠らない所存だ」と、同社の見解を述べている。
ただし、それでもなお当初予定されていた名称は正当であるとDrakeは主張した。すなわち、この名称は規制前後の製品の相違点を端的に表すものだからだ。Microsoftは、パートナー企業との連携の下、来月には新Windowsをリリースする予定で、欧州のコンピューターメーカー数社にはすでに製品を出荷したと発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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