富士通は28日、2004年度第3四半期(10月1日〜12月31日)連結決算を発表した。売上高は1兆436億円(前年同期比245億円減)、営業利益は48億円(同53億円減)、経常利益はマイナス142億円(同23億円増)、純利益はマイナス95億円(同172億円減)の赤字となった。
売上高が前年同期比245億円(2.3%)減となった理由について同社では、「市況が悪化した半導体や、PDP、LCDなどが減少したほか、国内で金融端末装置やサーバ等の売上が伸び悩んだため」としている。ただし海外では、アウトソーシング、Unixサーバ、パソコン、光伝送システム、HDDなどの売上が増加し、再編の影響を除いた継続事業ベースでの売上はほぼ前年並という。
セグメント別の売上高は、ソフトウェア・サービスが4359億円(前年同期比0.1%減)、プラットフォームが3753億円(同0.4%増)、電子デバイスが1701億円(同11%減)となった。
ソリューション/SI、インフラサービスを含むソフトウェア・サービス事業の業績は、継続事業ベースでは前年同期比1.4%増という。国内では、一部の製造業や通信事業者向けなどで売上が増加したものの、「全般的には第3四半期もIT投資回復の力強さに欠けた」としている。一方海外では、特に英国のFujitsu Servicesにおける政府系大型アウトソーシング商談が寄与し、再編影響を除くと12.2%の増収となった。
サーバ、パソコン、携帯電話関連や、IPネットワーク、伝送システムなどを含むプラットフォーム事業では、欧州・北米など海外におけるUnixサーバの販売が好調だったものの、国内では伸び悩み、金融端末装置の新紙幣対応特需も一巡したため、サーバ関連全体では減収となった。一方、伝送システムでは海外の通信事業者向けが増収となり、HDDはノートパソコンやサーバ向けともに好調で、前年同期比14.2%の増収となった。
半導体関連を中心とする電子デバイス事業は、再編の影響を除いた継続事業ベースでも9.4%の減収となった。フラッシュメモリは、受注の伸び悩みや単価下落傾向を受けて売上高が減少傾向となり、PDP、LCDについては、需給バランス悪化に伴う価格競争の激化により大幅な減収となった。
富士通では、市場悪化に伴う半導体およびディスプレイの減収の影響や、国内販売の伸び悩みを織り込み、2004年度通期の売上見通しを、10月公表比より1000億円減の4兆8000億円と下方修正した。また、ディスプレイを中心とした電子デバイスの減収や、ソフトウェア・サービスにおける国内ソリューション/SIでのプロジェクトの採算性の悪化、期末集中型の社会システム商談の減少等の影響を織り込み、通期の営業利益は1700億円(10月公表比より300億円減)、経常利益は950億円(同250億円減)、純利益は550億円(同150億円減)に下方修正した。
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