Google(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)が、ブログを使った検索結果のランキング操作を防ぐ新しい抑制技術を導入する。
「リンクスパム」あるいは「コメントスパム」とも呼ばれるこのような計略行為は、ウェブマーケティングの誕生時からあった。こうしたウェブサイトのプロモーターは、掲示板のコメントフォームやブログ、もしくはあらゆるウェブページを使い、自分のウェブサイトに飛ぶリンクを書き込んで自らのサイトを宣伝する。Googleなどの検索エンジン各社は、ほかのサイトに張られたウェブページのリンク数などで検索結果を集計しているため、このような計略行為がサイトのランキングを上げ、トラフィック増へとつながってしまう。また、これによって関係のない検索結果も表示されるようになる。
この問題は、ブログの普及に伴って、ますます深刻さを増している。サイトのサービスを中断させたりパスワードで保護する以外に、外部の人間がコメントフォームに偽リンクを書き込めなくする手段がほとんどないためだ。
Googleの関係者によると、同社は米国時間18日夜、リンクスパム濫用者を阻止するための新たな戦術に関する詳細を自社のブログで明らかにする予定だという。
Danny Sullivanという検索エンジンの専門家は、Googleがウェブサイトの運営者に対し、ウェブページに挿入し、コメントやリンクが自分たちのものではなく、また検索エンジンにとって価値の低いものであることを示す新しいコントロール(タグ)を提供する計画だ、と語っている。「ノーフォロー」タグと呼ばれるこのコントロールをブログのコメントページの前に配置すると、Googleにはそれがウェブを分類するにあたって読み飛ばすべきページであることが分かるという仕組みで、これによりコメントスパムの効果は事実上なくなるという。
「このタグにより、基本的に自分のものではないリンクにはフラグを付けられるようになる。こうすればリンクがカウントされないので、この方法は有用だ」とSullivanは語り、またこうした問題が完全になくなることはないが、「このタグによってコメントスパムの威力は低下する」と付け加えた。
Sullivanによると、このインデックス用タグはサイト運営者にとってほぼ10年ぶりに登場した技術革新になるという。この前に世に出た技術は、検索エンジンによるインデックス化を完全に回避するためのタグだった。
「検索エンジン側から、こうしたコントロールを可能にする新しいツールを提供するのはいいことだ」(Sullivan)
Google以外の企業も、この動きに足並みを揃えている。Six Apartは18日、同社がこのタグに関する標準を即刻採用することを発表した。同社では、プロと個人の両方に向けたブログサービスを提供しており、現在およそ650件のブログが同サービスを利用している。新タグが採用されることで、Six Apartの運営するTypepadユーザーのブログには、自らの載せたコンテンツと他者がコメントフォームを使って書き込んだ内容を区別するタグが自動的に追加されることになる。また同社のMovable Typeにも、これと同じ機能をもつプラグインが新たに追加される。
この新たなコントロールタグに関する噂は、Micro PersuasionやScobleizerなどいつくかのブログで数日前から話題になっていた。ScobleizerはRobert ScobleというMicrosoftの社員が付けているものだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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