Hewlett-Packard(HP)でItaniumプロセッサの開発に携わっていたエンジニアは、1人残らずIntelに転籍してしまうかもしれない。しかし同社では、同チップを引き続き支持する意向で、今後3年間に30億ドルを投資していくという。
HPはこの資金を、向こう3年間で各種システムの設計やソフトウェア開発企業の支援に役立てる。同社はこの計画を米国時間16日に発表する予定だ。HPでは、この資金を使って、Itanium用にソフトウェアを開発する企業を募ることや、これらの企業による自社製品の最適化やマーケティングを支援していく。
HPとIntelは、これまで10年以上にわたってItaniumの開発を共同で進めてきた。両社はHPのチップ設計者の転籍に関する合意に関して当初コメントを控えていたが、15日遅くになってHPがこの計画を正式に認め、その詳細を明らかにした。
「コロラド州フォートコリンズ事業所にいるHPのエンジニア数百人がIntelに転籍する。この結果、マルチコア/マルチスレッドのプロセッサの開発体制が増強される」(HP)。こうした技術は単一のプロセッサで複数のタスクを同時に処理できるようにするもので、競合するSun Microsystems、IBM、Advanced Micro Devices(AMD)の各社でもこうしたチップの開発が進んでいる。
なお、HPでは今後もItanium用チップセットの設計を続けていく。
HPによるこの投資は、「現在200億ドル程度の規模を持つ、RISCプロセッサ搭載サーバ市場で、Itanium 2を搭載したHP Integrityサーバ製品を一気に首位に立たせる」ために考えられたものだと同社は声明の中で述べている。「HPとIntelは引き続きサーバ分野の技術革新とItaniumに投資していく。これにより、Integrityサーバは今後長期にわたって顧客に価値をもたらす競争上不可欠な武器となる」とHPの最高経営責任者(CEO)Carly Fiorinaは声明を発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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