富士通、富士通研究所、東レの3社は1月13日、世界初となる植物系素材の大型プラスチック筐体を共同開発したと発表した。環境への負荷が少ないこのプラスチック筐体は、富士通から発売された2005年春モデルのノートパソコン「FMV-BIBLO NB80K」に採用されている。
ポリ乳酸系組成を最適化した植物系素材は、ガラス転移温度が低いため成形が困難であり、これまで大型筐体への適用や量産性の向上が課題とされていた。3社はこれらの課題を解決するために、ポリ乳酸とガラス転移温度が高い石油系樹脂とを混合するポリマーアロイ化技術と難燃化技術を組み合わせることで、IT機器の大型筐体に必須となる難燃性と耐熱性を併せ持ちつつ、高い成形性を実現する新材料を開発したというものだ。
この新材料は約50%が植物系素材を含む天然素材であるため、石油資源の消費を抑制することができる。また、ノートパソコン筐体に採用した場合には、従来の石油系樹脂と比べてライフサイクル全体でのCO2排出量を約15%削減できるため、環境負荷の低減も可能になるという。
3社は今後一層の適用拡大を図り、環境負荷低減と石油資源の消費削減に貢献したいとしている。
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