Apple Computerは米国時間11日、大方の予想通り、高い人気を誇る同社の携帯音楽プレイヤー、iPodの新バージョンを発表した。iPod shuffleという名前のこの新製品には2つのモデルがあり、99ドルのモデルには約120曲の楽曲を、また149ドルのモデルには240曲をそれぞれ保存できる。
ほかのすべてのiPodには、コンピュータと同じ高価なハードディスクが搭載されているが、iPod shuffleではその代わりにフラッシュメモリが採用されている。この新型音楽プレイヤーはこれまでAppleが開拓していなかったローエンドの市場をターゲットにしたもので、記憶容量は小さなモデルが512Mバイト、またもう一方は1Gバイトとなっている。
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他社のフラッシュメモリー・プレイヤーと異なり、iPod shuffleには曲名やプレイリストを表示するディスプレイがない。その白くて細長い長方形のケースには、片側にiPodのトレードマークともいえるナビゲーションホイールが搭載されているだけだ。Appleではこの新製品に搭載されたランダム再生機能を強調しているが、これは事実上どのMP3プレイヤーにも付いている機能だ。
Apple最高経営責任者(CEO)のSteve Jobsは、「iPod shuffleはガムのパッケージより小型軽量で100ドルもしない。大半のフラッシュメモリ・プレイヤーでは、ユーザーは小さな画面を見ながら複雑な操作を行って聴きたい曲を見つけなくてはならない。だが、iPod shuffleなら、ユーザーはリラックスしているだけでよく、新しい組み合わせの曲がいつも違う順番で再生される」と声明のなかで述べている。
Appleによるフラッシュメモリー・プレイヤー市場への進出は、一連の情報流出を受けて広く予想されていたものだが、これは同社がこれまで掲げてきたハイエンド戦略からの決別を意味する。Jobsは以前、容量が小さく比較的低価格のMP3プレイヤーを、贈り物として買われることはあっても実際にはほとんど利用されない製品だとして、一蹴したことがあった。
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販売台数で見ると、フラッシュメモリ・プレイヤーは、ハードディスク搭載製品を上回っており、米国以外では依然として強さを発揮している。また米国の小売市場で昨年最大のシェアを獲得したのはiRiverで、これにRioとRCAが続く。ほかにも、Nike/Phillips、Samsung、Creative Technologiesなどの各社がこの市場に参入している。
他社でも、携帯音楽プレイヤー市場のローエンドからミッドエンドを狙って、独自に新しいアプローチを試みている。先週のConsumer Electronics Showでは、Rioがce2100という2.5Gバイトの記憶容量を持つ199ドルの新製品を発表していた。
昨年の年末商戦で、Appleと競合する各社は成功といえる結果を残した。Creative Technologyは11日、12月末締めの四半期に200万台を超えるMP3プレイヤーを販売したことを明らかにし、通年の売上予想値を大幅に上方修正している。
しかし、ハードディスク搭載プレイヤーの市場では、相変わらずAppleの独占状態が続いている。NPD Groupによると、2003年10月から2004年10月にかけて、Appleは同市場の売上の80%以上を占めたという。同社は11日、12月25日締めの四半期にiPodを450万台以上販売したことを明らかにした。
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