松下電器産業は1月11日、2005年度(2005年4月−2006年3月)の経営方針説明会を開催した。2005年度の電機業界は世界需要が前年割れするという予測のもと、在庫削減や中国市場の開拓に努めることで営業利益率4%を目指すという。
同社はまず2004年度の電機業界の世界需要について、特に上半期が好調だったことから前年比10%増の約8800億ドル規模になると予測する。2005年度はこの反動で同1%減に縮小するという。「2005年度、特に上半期は逆風下にあるだろう」(松下電器代表取締役社長の中村邦夫氏)
市場成長の減速要因について、中村氏は「携帯電話とPCだと言っても過言ではない」と話す。特に携帯電話は中国市場における在庫調整が各社の業績にも大きな影響を与えているという。ただしデジタル家電やデジタルカメラ、白物家電に関しては引き続き成長するとの見通しを示した。
市況が厳しいなか、同社が力を入れるのが海外事業だ。2003年度実績が54%、2004年度中間期には49%となった海外売上比率を60%以上に引き上げる方針。特に成長市場である中国での販売量を増やし、2003年度に約5400億円だった中国国内の販売高を2006年度には1兆円とする(2004年度見込み販売高は約6300億円)。
国内については、生産革新とコスト削減で競争力を確保する考え。国内工場の在庫半減と工場在庫1日以下のモデル工場をつくることを目標として掲げる。また、2003年7月から開始したコスト削減活動の「コストバスターズ・プロジェクト」が2年間で当初目標としていた1000億円を上回る成果をあげたことから、2005年度は第2次コストバスターズ・プロジェクトを開始し、2年間で新たに1200億円のコスト削減を目指すという。
「国内でもブラックボックス技術を持っている工場は強い。労働生産性が低い点が課題だが、国内製造拠点が勝ち残る希望は見えてきた」と中村氏は自信を見せた。
同社では2006年度に営業利益率5%以上を達成するという目標を掲げている。中村氏によれば2004年度の営業利益は約2800億円、営業利益率は3%超となる見込みという。2005年度には営業利益率を4%以上とし、2006年度の公約達成に向けて取り組むとしている。
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