しかし、BitTorrentを開発したBram Cohenは、同技術の最近の展開には驚いていないという。BitTorrentは、大容量ファイルの効率的配布を可能にする目的で設計された技術であり、法に対し常に一歩先んじていなければならないアンダーグラウンドのファイル交換のために設計されたものではない、とCohenは語る。しかし、利便性を高めるためのいくつかの機能(が追加されたこと)によって、BitTorrentは、非常に法的攻撃を受けやすいものとなり、その結果ファイル交換者は一夜にして危機に陥ってしまった。
「(このような危機的状況が)もっと早い時期に起こらなかったことが不思議だ」とCohenは語る。同氏はさらに「違法コピーがこれほど蔓延した主な理由は、これまで厳しい取り締まりがなされてこなかったからだ。そのため罰せられることなく、目に余るほど蔓延した」と語った。
BitTorrentの今後
だからと言って、BitTorrentが今後消滅するわけではない。BitTorrentはすでに、様々な合法的用途で広く利用されている。例えば、同技術を使って、ゲームや各種のLinuxオペレーティングシステムが配布されている。
またBitTorrentとRSS(Really Simple Syndication)ニュースフィード技術を統合し、音声/画像を配布する新たな手段を作り出そうとしている人もいる。Cohenによると、同氏は間もなくBitTorrentの新版を発表する予定で、現在はBitTorrentをより主流のPtoP技術にするための方法の模索に大半の時間を費やしているという。
PtoPニュースサイトSlyck.comによると、SuprNovaの運営者らは、Exeemと呼ばれる、BitTorrentより分散型のPtoP技術の開発に取り組んできたという。しかし、SuprNovaの閉鎖後、関係者から同プロジェクトについてのコメントは得られなかった。
SuprNovaなどの大規模サイトの閉鎖はネット上で広く知れわたることは間違いないが、ファイル交換コミュニティの事情に詳しい人物は、それによってユーザーの行動が大きく変化するわけではないと指摘する。
「SuprNovaはBitTorrentにとって極めて重要なサイトだったとは思うが、BitTorrentは今後も生き残る」と語るのは、ファイル交換コミュニティサイトZeropaid.comのプレジデントChris Hedgecockだ。同氏はさらに、「かつてNapsterがPtoPコミュニティにとって極めて重要な存在だったのと同じだ。どちらも発展し続けるだろう」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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