Microsoftは来年クラスタ向けにWindowsの特別バージョンを発表する。しかしこの新OSがIntelのサーバ用最強チップで稼働する予定は当面ない。
Microsoftは今週、Windows Server 2003 Compute Cluster Editionが、IntelのIntaium 2チップを搭載したサーバでは稼動しないことを明らかにした。最大128基のプロセッサを含むクラスタ向けに開発されたこの新しいWindows OSは、Advanced Micro Devices(AMD)とIntelの32ビット/64ビットサーバチップ上で動作する。
Microsoftの今回の決定で、10年前には世界中を制覇するとみられていたItaniumチップがまたもや打撃を被ることになった。9月には、Hewlett-Packard(HP)がItanium 2搭載ワークステーションの製造を中止している。
Itanium 2チップを搭載したサーバでは大幅な性能向上が見込めることから、負荷の高い処理を行うコンピュータユーザーの間で同チップの人気が高まっている。最新のスパコン世界最速ランキングでも、上位500位のうち87台がItaniumベースのシステムで、前回の67台を上回っている。
しかし、Intelにとっては不幸なことに、Itanium 2システムには専用に書かれたソフトウェアが必要になるため、企業ユーザーによる大量導入はそれほど進んでいない。Itanium搭載サーバのメーカー各社やソフトウェア開発会社でも、Itanium 2チップに対応するための製品の移植作業に膨大な労力が必要となるため、同チップのサポートに二の足を踏んでいる状態だ。
Microsoftの広報担当者は今回の決定について、同製品の需要に関係している可能性を示唆したものの、具体的な理由は明らかにしなかった。またこの担当者は、来年発売されるクラスタ用Windowsがまだ最初のバージョンに過ぎず、同社はその次のバージョンでItanium 2をサポートすることを検討していると付け加えた。
スパコン最速ランキングに名を連ねているItaniumベースのスーパーコンピューティングクラスタは、ほとんどが数百基のプロセッサを含むもので、Linuxが稼動しているものも多くある。また、こうしたシステムには研究機関が導入したものも多いが、これらの機関では企業スポンサーから無料もしくは助成金付きの技術援助を受けている。
データベース用のクラスタには通常128基もしくはそれより少ない数のプロセッサしか使われていないと、Technology Business ResearchアナリストのBrooks Grayは述べる。「Itaniumは現時点で、拡張性の高いクラスタサーバにとって必ずしも理想的なプラットフォームとはいえない。Itaniumには、従来の大型コンピュータでの実装のほうが適しているかもしれない」(Gray)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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