--将来、LenovoブランドのPCを米国やヨーロッパでも販売する予定ですか。
それが次の段階です。現在PCを購入している顧客は、今後もThinkPadなり、他社製PCなりを購入し続けます。Lenovoが素晴らしい製品ラインを持っていることは、我々にとってビジネスを広げるチャンスになります。IBM製品は世界中で販売されています。Lenovoが持っている素晴らしい製品をいかに世界に向けて販売していくかが重要です。この点については、すでに担当チームが評価を行っています。Lenovo製品は、中小企業向けのニッチ市場と個人向け市場にターゲットを絞ったものになっています。これらを組み合わせた製品を考えることができると思っています。
Lenovoブランドが将来重要なPCブランドになることは間違いありません。現在、それに向かって計画を進めています。
--Lenovoは、PCの低価格化に対してどのようなスタンスをとるつもりですか。
IBMは、業界でも最も革新的なPCであると自負できるものを提供してきました。手前みそになりますが、これは、アナリストやメディア、それに顧客の評価です。現在も、価値の高い製品を低価格で顧客に提供しています。我々の成長を見れば、それが事実であるとわかります。我々は市場の拡大に大きく貢献しています。
われわれの狙いは、人々の生産性を向上させるPCを提供することであって、付加価値のない製品を売ることではありません。そのことを明確にした上で、IBMは価値ある製品を低価格で提供する努力を重ねてきました。たとえば、省スペース型デスクトップであるS50をリリースしたとき、ユーザは他社製品と比較して、その低価格に圧倒されました。超薄型ThinkPad X40を発売したときも、マスコミで大きく取り上げられました。高性能な割に価格が安いことに皆驚いたのです。
われわれは、今後も生産性を向上させる製品を低価格で提供することで注目を浴び続けるでしょう。コモディティ市場(競合各社がほとんど同じような製品を提供する低価格PC市場)に参入するつもりはありません。
--もう1つの大きな問題は、競合他社、特にDellやHPとの市場シェアの争奪戦です。この2社は、今回の買収に乗じてIBMの顧客を奪おうと、顧客にとっての不安材料を見つけだすことに躍起になっています。これに対してはどのように対処していますか。
われわれにはIBMの営業部隊がついています。そして、彼らが顧客に説明してまわれるようにしています。IBMは素晴らしい顧客を抱えていますし、そうした顧客は当然、新生Lenovoに引き継がれます。
今回の買収に関してIBMの営業マンが顧客と話をするたびに私に報告があがっています。顧客は我々の戦略を理解しているか。競合他社に惑わされていないか。競合他社によってどのようなFUDが吹き込まれているのか。それに対抗して正しい情報を顧客に伝えることができているか。顧客は、我々が疑念を晴らす必要があるほど本当に心配しているのか。 そういった点に関するフィードバックがあがってきます。
私は、昨日の昼間に200件ほど、そして夜にも何件かのフィードバックに目を通しましたまた今回の買収の利点に関して顧客担当者が十分に説明できていないと思われるため、各拠点に窓口を設けて顧客からの問い合わせに対応しています。こうした問い合わせにも24時間以内に対応すると約束しています。
これがIBMです。我々はIBMの組織力を活用して顧客に全面的にコミットしています。またIBMは我々のパートナーとして、製品の保証とサポートを行っていくことになるでしょう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」