IBMの中国に対する思いはとどまるところを知らないようだ。
IBMは、サーバを製造するジョイントベンチャーを、Lenovoにとって最大のライバルであるGreat Wall Computingとともに中国に設立することを明らかにした。IBMは先週、PC事業をLenovoに売却する計画を発表したばかり。
このジョイントベンチャーの社名はInternational Systems Technology Company(ISTC)になる予定。新会社は、International Information Products(IIP)という両社による既存のジョイントベンチャーを手直ししたものとなる。IIPは現在、ThinkPadやサーバをはじめとする各種コンピュータをIBM向けに製造している。しかし、先頃のLenovoとの契約では、IIPの深川工場に関するIBMの所有権は、Lenovoに移譲されることになっている。このままいくと、中国のPC業界で最も熾烈な戦いを繰り広げる2社が偶然ながら同じ工場を共有することになってしまう。
IBMとGreat Wallによる今回の提携の下で、IBMは、Great Wallに帰属するIIPの所有権を買い取り、これをLenovoに売却してISTCを設立する予定だ。IBMは先週すべてが決定したわけではないと述べたが、週末に入ってから、北京の情報筋がGreat Wallとの提携について一部の情報を認め始めた。
IBMは、新しいジョイントベンチャーの80%を保有することになる。
IBMとLenovoの提携が成功するか否かについては業界内でも見解が大きく分かれるが、Great Wallとの提携に関するニュースからも、ジョイントベンチャーをめぐる駆け引きの難しさを垣間見ることができる。Lenovoは、自社製のサーバも製造している。そのためIBMは、ノートPCについてはLenovo製のThinkPadを推奨する一方で、サーバについてはLenovoと競合する製品を販売する状況に置かれることになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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