CNET News.comが入手した情報によると、Microsoftは、IBMのミッドレンジサーバを利用する顧客奪取をねらいとした、ハードウェアメーカーおよびサービス企業各社との提携を米国時間14日に発表する予定だという。
Microsoftは、このMidrange Alliance Program(MAP)で、富士通やElectronic Data Systemsをはじめとする数社と提携し、IBM AS/400ファミリーの最新版であるiSeriesサーバに代わってWindowsベースの代替製品を検討するよう企業へ働きかけていく。
MicrosoftのシニアプロダクトマネジャーTim O'Brienは、「iSeriesは評判通り統合性と信頼性が突出していると評価している。だが、ここに至るロードマップも曲がり角に来たように思う」とインタビューのなかで語った。
Microsoftとパートナー各社によると、iSeriesのOSであるOS/400向けにアプリケーションを開発する主要ソフトウェアデベロッパーの多くは、すでに開発作業を中止しているという。Microsoftはこの取り組みの目的について、AS/400プログラムを新しく蘇らせるための選択肢が、JavaやIBMのWebSphereベースのソフト以外にもあることを顧客に知らせることとしている。
Asnaの提携担当バイスプレジデント、Martin Gossenは、「IBMは常に、ミッドレンジのユーザーコミュニティがいつまでも自社製品を使い続けてくれると単純に仮定してきた。彼らは、AS/400を中心としてほとんどカルトに近い環境を作り出し、挑戦を非常にうまくはねのけてきた」と語っている。Asnaは、AS/400を専門にするMAPパートナーの1社。
IBMはこれに対し、iSeriesは引き続き数千社もの新しい顧客を獲得している、と反論している。同社には、多くのMAPパートナー同様、顧客がコードを書き直すことなく既存アプリケーションに最新のウェブインタフェースを追加できるようにするツールもあるという。
しかも、iSeriesシリーズにはMicrosoftや同社のパートナー各社には対抗できない利点があると、IBMのRoger Rea(WebSphere担当ミッドマーケットマネージャ)は語る。同氏によると、iSeriesの顧客のなかにはシステムを何年間も再起動することなく運用してきている企業がいくつもあるという。
「ほかのOSではこのような高いレベルの信頼性や可用性は得られない。OS/400はセキュリティもすばらしく、ウイルスが侵入したことも、ハッキング攻撃が成功したこともない」(Rea)
今回の提携では、まずケーススタディーや白書そのほかの各種資料をMicrosoftのウェブサイトで公開していく。その後、提携各社は同プログラムの専用サイトを開設する予定。
Microsoftは、EDSや富士通、Asnaのほかにも、HCL、Covansys、Lansa、Geniant、およびBornと提携契約を締結済み。Microsoftとパートナー各社は、AS/400サーバ用プログラムへの投資を活用できるツールの存在を売り込み文句の1つにしている。このツールを使えば、Microsoftの.Netプログラム環境向けにプログラムをゼロから書き直す必要がなくなる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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